ネット広告の「監視されている気味悪さ」には理由がある GAFA一人勝ちを許す『クッキー規制』を打破する秘策

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見ず知らずの第三者にネットの全行動を監視される異常事態。そこで世界中から「プライバシー侵害だ」という声が上がり始めた。2018年にヨーロッパとアメリカのカリフォルニア州で「クッキーは個人情報だ」とする厳しい法律が成立したのだ。

そして日本国内でも規制強化がはじまった。2022年の個人情報保護法改正では、クッキーを個人データと紐づけるなら「必ず同意を取る」ことを義務化。さらに2023年の改正電気通信事業法では、ユーザーの情報を外部のサーバーだけでなく、自社の別サーバーに送る行為に対し、「必ず通知や公表をする」という強烈な縛りが入った。

クッキー規制の救世主はAI

クッキーが勝手に使えなくなり、「結局どの広告が決め手になって買ったのか」が十分に追えなくなってしまったインターネット広告業界。しかし、そこに救世主として登場したのが「AI(人工知能)」だ。

AIは「見えなくなったデータ」を統計的に推測で穴埋めしたり、「この人はサッカー好き」という個人追跡の代わりに「この記事はスポーツ系だからスポーツの広告を出そう」と文脈を読んだりして、したたかに広告を最適化し始めている。

さらに、個人情報を一切外に出さない安全な部屋の中で、AIだけがデータを分析する高度な技術「クリーンルーム」も登場している。

だが、この法規制で一番笑っているのは誰か? 実は、Google、Amazon、Meta(Facebook)、楽天といった「巨大プラットフォーマー」たちである!

彼らは自社のサービス内に膨大な会員情報(ファーストパーティデータ)を抱え込んでいるため、外部のクッキーなど初めから必要ないのだ。結果的に、データを持たない中小のメディアやDMP事業者は困窮し、広告主は高いお金を払って巨大プラットフォーマーにすがるしかない…。

そう、かつてのテレビや新聞が持っていた絶大な権力が、そのまま巨大プラットフォーマーにすり替わっただけなのだ。

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