「金利上昇=リート売り」は"過去の遺物"になりつつある…日銀利上げでも2026年のJリートが「買い」と言える3つの理由

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さらに、取得のターゲットとなる優良物件は市場に出回る可能性は高まっています。東証によるPBR1倍割れ改善要請やアクティビストの活発化を受け、事業会社が資本効率を高めるために自社の保有不動産(CRE)を売却・オフバランス化する動きが加速しているからです。

同時に、業界内部でのダイナミズムも活性化しています。サンケイリアルエステート投資法人のTOBによる非公開化や、資産規模約5000億円に達する国内初の私募リート同士の合併(DREAM)など、規模拡大と効率化を目指す再編の波が押し寄せています。今後の物件取得競争は、市場全体の活力を力強く底上げするでしょう。

2026年Jリートのおすすめセクターは?勝敗を分けるのはインフレ耐性

では、具体的にどのセクター(用途)の銘柄を狙うべきでしょうか。筆者が考える26年の銘柄選びの最大のテーマはインフレ耐性です。金利上昇によるコスト増を上回る賃料の増額を狙えるかどうかが、パフォーマンスを分ける要因となります。

筆者が真っ先に推したいセクターは賃貸住宅(レジデンス)です。現在、首都圏のマンション価格は極めて高い水準で高騰を続けており、購入に踏み切れないパワーカップルや単身者が、都心部の利便性の高い賃貸物件へと流入しています。賃貸住宅は契約期間が通常2年と短いため、インフレの波に合わせてこまめに賃料を引き上げやすく、現在の市況において最も手堅いインフレヘッジ資産といえます。

第2にオフィスも極めて有望で、テナント需要の逼迫による明確な賃料上昇サイクルに入りました。先述した建築費高騰による新規ビルの供給減の恩恵を最も受けるのはこのセクターであり、既存の優良オフィスビルを保有する銘柄の収益力は今後さらに強固になるでしょう。

第3に、少し視点を変えた逆張りの狙い目として、物流施設に注目しています。物流施設はコロナ禍で一人勝ちしたものの、その後のインフレ局面では長期固定賃料(賃料が上げられない)が嫌気されたほか、供給過多の懸念から市場の見方が厳しくなり、投資口価格が大きく調整しました。 しかし現在、リートの運用各社はテナントに対して、賃料を物価上昇に連動させる「CPI連動型」へと移行する努力を続けています。市場がこうした体質変化を完全に織り込む前の「売られすぎによる割安感」が残っており、足元で持ち直しの動きを見せている今のタイミングこそ、絶好の仕込み時であると考えられます。

実質金利マイナスの恩恵、強固な財務戦略、建築費高騰による既存物件の優位性、そして企業不動産の放出による外部成長の余地。これらの要素を考慮すると、26年のJリート市場は平均4.60%という高い分配金利回り(26年1月末現在)を確保しながら、キャピタルゲインも狙える極めて魅力的なフェーズにあります。資産形成のポートフォリオにおいて、今こそJリートを積極的に組み入れるべきタイミングであるといえるでしょう。

【もっと読む】預貯金9割は危ない?「低年金」でも老後不安を消した"黄金の投資比率"の正体 定説「年齢=債券」を捨て、55歳から資産を"再点火"させる方法とは? では、定年間近からでも間に合う老後の資産戦略について、ファイナンシャルプランナーの松田聡子さんが詳細に解説している。
松田 聡子 ファイナンシャルプランナー/群馬FP事務所代表

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まつだ さとこ / Satoko Matsuda

群馬県前橋市出身。明治大学法学部卒業。大学卒業後、IT企業でエンジニアとして15年間勤務し、金融システムや物流システムの開発に従事。その後、国内生命保険会社へ法人コンサルティング営業職に転身し、2009年に独立系ファイナンシャルプランナーとして開業。以後、個人向けマネー相談や企業向けコンサルティングの他、企業型確定拠出年金導入企業向け従業員研修の講師などに携わる。2020年より金融経済ライターとしても経済メディア、メガバンクオウンドメディアなどに実務経験を活かした記事を寄稿。著書『60分でわかる!住宅ローン超入門』(技術評論社)。日本FP協会認定CFP®。

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