「金利上昇=リート売り」は"過去の遺物"になりつつある…日銀利上げでも2026年のJリートが「買い」と言える3つの理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

【理由2】建築費高騰がもたらす既存物件の価値向上という優位性

現在、不動産デベロッパー各社を最も苦しめているのが建築費の高騰です。建築工事費は15年からの過去10年で1.3倍以上に上昇しており、人手不足による工期の長期化(2年が3年になるなど)も深刻な状況にあります。

一方で、この状況はJリートにとって追い風です。建築費の増大と工期の長期化は、必然的に新規ビルの供給を物理的に抑え込みます。新規のライバル物件が現れなければ、Jリートがすでに保有している既存物件の希少性が相対的に高まり、需給逼迫による賃料上昇につながると考えられるのです。

Jリートは、すでに完成し稼働している物件を購入・運用するビジネスモデルです。そのため、建築コスト増のダメージを直接受けず、新規供給減に伴う既存物件の収益力向上だけを享受できる有利なポジションに位置しているといえます。

「増資→物件取得」の流れが加速?

【理由3】NAV倍率回復により増資(PO)再開も視野に

こうした環境への適応力は、徐々に市場からも再評価され始めています。一時期0.8倍程度までディスカウントされていた平均NAV倍率(純資産価値に対する投資口価格の倍率)は、足元で0.93倍と1倍付近にまで回復してきました。NAV倍率1倍とは、Jリートの投資口価格が資産価値並みに評価されていることを意味します。 

【Jリート市場のマーケット指標(26年1月末時点)】
指標    数値    1年間の増減
東証REIT指数(配当なし)    1978.31 16.04%
東証REIT指数(配当込み)    5305.81 21.86%
平均予想分配金利回り(%) 4.60   -0.46pt
平均NAV倍率(倍)     0.93   0.11pt
(出所:ARESマンスリーレポート 2026年2月より/一般社団法人不動産証券化協会より作成)

筆者が26年の市場において最も期待しているのが、このNAV倍率1倍超えを起爆剤とした「PO(公募増資)ラッシュ」の到来です。

NAV倍率が1倍を下回る状況下では、既存投資主の利益が希薄化するため増資ができず、各社は優良物件を買いたくても我慢を強いられてきました。しかし、1倍を超えれば市場から適正に資金を調達でき、新しい物件を次々と取得し、分配金を増加させるポジティブなサイクルを一気に回せるようになります。

次ページ「Jリートの3つの構造的な強み」理由3
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事