産むなら援助なし「内密出産」救えない日本の実情――妊婦の相談・出産の援助、子の支援、養子縁組まで手厚いドイツとの差

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匿名の母親がベビーバスケットに赤ちゃんを預けに来るのは、たいてい出産当日か翌日だ。

「想像してみてください。どこでどんなふうに赤ちゃんを産んだのかを。例えば、自宅で1人で産んだのであれば、自力でへその緒を切ったり、胎盤を出したりしなければならない。本当に壮絶な状況です」(賀藤院長)

出産は、たとえ妊婦健診を受けていても、妊娠経過が順調だとしても、出産が終わるまではどうなるかわからない。出産直前に逆子になったり、陣痛が止まって急きょ帝王切開になったり、何らかの理由で大量出血したり……。

そうなれば母子ともに命の危険にさらされる。いつの時代も「出産は命がけ」なのだ。

だからこそ、定期的に妊婦健診をきちんと受け、産科医や助産師による治療やケアが受けられる医療機関や院内助産所で出産することが強く勧められている。

「なんとか自力で子どもを産めたとしても、健やかな状態とは言いがたい。会陰(えいん)が裂けているでしょうし、血液や子宮内膜や羊水などが混ざった悪露(おろ)も止まらない。そんな体で赤ちゃんを預けに来られるわけです」と賀藤院長は嘆息する。

世界初「赤ちゃんポスト」の今

赤ちゃんポストの原型は、中世ヨーロッパの教会や修道院にあったといわれる。

なかでも先駆的な試みをしていたのがドイツで、他国に先駆けて2000年にドイツ版の赤ちゃんポストである「Babyklappe(ベビークラッペ)」の設置を開始した。 ドイツ語で「赤ちゃんの扉」という意味だ。

ハンブルグでベビークラッペを行っている建物(写真:賛育会提供)
リューベックのベビークラッペの壁面掲示(写真:賛育会提供)
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