脂肪肝を放っていると、いずれ慢性腎臓病になる理由 「脂肪肝→糖尿病→慢性腎臓病」の恐怖のドミノ倒し

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

川は、最初は小さな流れだったのが、上流から下流へと向かうにしたがって大きな流れになっていくもの。それと同じように、私は、人の病気やトラブルも、上流の小さな問題から下流の大きな問題へと連鎖的に拡大していくものだと考えています。

肝臓と腎臓の関係性を当てはめると、肝臓が腎臓の上流に位置しています。すなわち、上流の肝臓が先に悪くなり、その影響が年月の経過とともに伝播拡大して、下流の腎臓がじわじわと悪くなっていくわけです。

ですから、こういった病気の伝播拡大を防ぎたいなら、早い段階で「上流の問題」を解決する必要があります。下流の腎臓にまで問題が波及しないように、もともとのトラブルの原因である肝臓の問題を早いうちに解決しておかなくてはならないのです。

腎臓は病状が進行すると再生不可、肝臓はよみがえる

なお、私が「早めの解決」を強調するのには理由があります。

それは、早く上流の問題を解決しておかないと、腎臓の病状が大きく進行してからでは回復が難しくなってしまうからです。

そもそも、腎臓の濾過機能を担当しているネフロンは「消耗品」であり、加齢や病気の進行によってどんどん量が減ってしまうことが知られています。慢性腎臓病が進行してネフロンの残り量が限界に達してしまうと、残念ながらもう腎機能の回復は見込めず、人工透析や腎移植の措置をとるしかなくなってしまうのです。

一方、肝臓は、腎臓と違って再生可能な臓器であり、かなり肝機能を低下させてしまっても回復させることができます。私はそういう患者さんを数えきれないほど診てきていますが、肝硬変を相当こじらせでもしない限り、しっかりケアを行えば肝細胞を着実に再生させて機能をピンピンの状態にリセットできるのです。

だから、腎臓の機能を守っていくには、ネフロンが消耗しないうちに、早めの段階で上流の肝臓の問題にケリをつけてしまうほうがいいわけです。いま、慢性腎臓病の推定患者数は約2000万人に上るとされていますが、早い段階のうちに脂肪肝などの肝臓の問題を解決していけば、みすみす腎機能を低下させてしまう人を大幅に減らすことができるでしょう。

ですから、みなさんも腎機能の低下が少しでも気になるならば、肝臓からのケアアプローチで腎臓を守っていくようにしてはいかがでしょう。肝臓と腎臓は「ひとつながりの臓器」。肝臓の機能がしっかり回復すれば、その好調ぶりは腎臓の働きにも波及します。そして、その健康改善のスパイラルは、「肝腎要の臓器」を末永くすこやかにキープすることへとつながっていくはずです。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋院長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事