「りくりゅうは恋人同士?」モヤモヤから生まれる"曖昧さ"がヒットを持続する。「ご想像にお任せします」に見る "答えを提示しない"強さ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

つまり、「りくりゅう」の「ご想像にお任せします」は、日本的曖昧さの美学が、SNSという参加型プラットフォームと結びついた瞬間だったと見ることもできる。明確さがコモディティ化した時代ほど、「解釈の余地」は差別化になる。

その文化的感性がSNS環境と接続したとき、誰もが喉から手が出るほど欲しい「飽きられにくく、長くバズる」現象が生まれるのである。

「曖昧さ」マーケティングを導入する3つの注意点

ただし、参加型消費には決定的な特徴がある。それは、制御できないことだ。

解釈は当事者や企業の意図を超えて広がる。憶測が過熱すれば、プライバシー侵害や本質からの逸脱が起こりうる。

余白は拡散燃料になるが、方向は完全にはコントロールできない。

だからこそ重要なのは、軸を明確にすること。コミュニティーを観察すること。過度な暴走に対して冷静に対応することである。もし企業で「曖昧さ」マーケティングを導入するならば、注意すべきは以下の3つだ。

①商品力を確立してから余白を設計する
②SNSでの反応を常時モニタリングする体制を作る
③適切なタイミングで「答え合わせ」を行う

曖昧さは武器であると同時に火種でもある。余白は設計し、管理する必要がある。

ヒットを作るのは難しい。だがそれ以上に難しいのは、ヒットを長持ちさせることだ。

価値や実力という“白黒”を明確にしたうえで、すべてを説明しきらない。その余白が、人々の解釈と参加を生む。

言い切ることと、言い切らないこと。その両立こそが、現代のヒットに必要なことではないだろうか。

りくりゅう人気はまだまだ続く……のかも。(写真:ZUMA Press/アフロ)
衣輪 晋一 メディア研究家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きぬわ しんいち / Shinichi Kinuwa

インドネシアでボランティア後に帰国。雑誌「TVガイド」「メンズナックル」、Webメディア「マイナビニュース」「ORICON NEWS」「週刊女性PRIME」などでエンタメ・流行関連を中心に多岐にわたる記事を執筆。そのほかカンテレ公式HP、メルマガ「JEN」、書籍「見てしまった人の怖い話」「さすがといわせる東京選抜グルメ2014」「アジアのいかしたTシャツ」(ネタ提供)、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事