「親も一緒にシール収集→子ども同士の優劣意識を刺激」…『ボンドロ』登場で市場原理持ち込まれた「令和のシール交換」の憂鬱
これはもはや、コレクションというより“投資”に近い感覚である。子どもたちは自然と「損をしない交換」「より価値の高いシールを得る交渉」を学び、相場観のようなものまで共有し始める。遊びの中に、市場原理が入り込んでいるようだ。
2つ目に、情報の流通スピードの速さも無視できない。どのシールがレアなのか、どこで入手できるのか、どれくらいの価値があるのか。こうした情報は口コミだけでなく、インターネットやフリマアプリなどを通じて瞬時に広まる。子どもたちはもちろん、保護者もその情報に触れることで、「手に入りにくいものほど価値がある」という認識をより強く共有していく。
親の行動が知らず知らずのうちに競争を加速させる
そして3つ目は、令和のシール交換には、ここに“大人の関与”が加わっている点だ。子どもが欲しがるシールを探して店を巡る、入荷情報を逐一チェックする、子ども同士の交換トラブルに介入する……そうした行動が、結果的にシールの価値をさらに押し上げることにつながっている。
大人が動けば動くほど、子どもたちにとって「シールは特別なもの」「手に入れるのが大変なもの」という認識が強化されるのだ。
そして4つ目に、「持っているシール=親の関わり度」が顕著に浮き出てしまう点である。入手困難なシールを多く持つ子と、そうでない子。シール交換の場では、その差が可視化される。
レアシールを多く持つ子は、親も一緒になってシール収集をしているケースが多く、逆に親がシール交換に無頓着な場合は、子どものシール帳には高価値なシールはほとんど貼られていない。これは子ども同士の優劣意識を強く刺激し、人間関係の力関係にも影響を与えやすい。
現代のシール交換は、このような4要素が複雑に絡み合い、単なる遊び以上の競争空間へと変化しているのではないだろうか。




















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