40代感涙!テニス界"伝説の名器"プロスタッフ復刻に秘められた舞台裏、アイコン引退「ウイルソン」の生存戦略と「黄金スペック」へのアンチテーゼ
どのジャンルにおいてもそうだが、名器と呼ばれるギアは往々にして「扱いにくい」ものだ。かつてのプロスタッフはスイートスポットが狭く、重くて打球感も硬い「扱いにくいラケット」の最高峰。しかし、スイートスポットを捉えると、意図したところに正確にボールを運んでくれる。スペックは変わったものの、そのいい意味での「扱いにくさ」は現行のプロスタッフも受け継いでいる。
かつてはほかにも、ダンロップの「マックス200G」、プリンスの「グラファイト」、ヘッドの「プレステージ」など、上級者向けの「扱いにくいラケット」が各社に存在した。
一方で、初心者向けにフレームを極端に厚くした「厚ラケ」、フェース面積を110インチと大きくした「デカラケ」ブームなど、レベルやプレースタイルに応じた多種多様なモデルを各社が試行錯誤し、開発を競い合っていた時代があったのだ。
ところが、ここ20年ほどの間、テニスラケット市場はよくも悪くも「均質化」する傾向にある。その端緒となったのが、1994年にバボラが発表した「ピュアドライブ」だ。
ラケットの「均質化」がテニスをつまらなくした?
100インチ・300グラム。フレームは中厚でスイートスポットが広く、ボールが軽く飛んでいく。かつてストリング(ガット)専業メーカーだったバボラが初めて世に出したこのラケットは、初心者から上級者まで「万人受け」するラケットとして、またたく間に市場を席巻し、幅広い支持を獲得していった。
この「ピュアドライブ旋風」にほかのラケットメーカーも追随し、100インチ・300グラムの汎用モデルを市場に次々と投入。テニスショップでも「この“黄金スペック”のモデルを薦めておけば間違いない」という共通認識が広まっていった。いわば、ピュアドライブの大ヒットによって「売れるラケットの最適解」が見つかった、ともいえる。
もちろんウイルソンも例外ではなく、100インチ・300グラムの汎用モデルも展開している。ただ、「使う人を選ばないラケットももちろん必要です。でも、ラケットの選択肢は多いほうが、元来テニスは面白いと思うんです」と、自身も元インカレ選手の上田さんは言う。
「私も小さな頃からテニスを続けてきましたが、レベルに応じて段階を踏んでラケットを選ぶのが楽しかったんです。その先に、いつかはプロスタッフのような上級モデルを使ってみたい、という憧れがあったんですよね」




















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