40代感涙!テニス界"伝説の名器"プロスタッフ復刻に秘められた舞台裏、アイコン引退「ウイルソン」の生存戦略と「黄金スペック」へのアンチテーゼ
確かに、「扱いにくい」はイコール「いつかは使いこなしてみたい」という憧れの的でもあった。徐々にフェースを小さくし、フレームを薄くし、憧れの上級モデルに近づいていく。それもテニスを続ける醍醐味の1つだったのだ。
初心者から上級者まで広く支持される「黄金スペック」の発見と均質化の流れが、その楽しみを奪ってしまった――。そんな側面も、もしかしたらあるかもしれない。
「所有する喜び」を現代によみがえらせる
そんな、かつての「憧れの名器」だったプロスタッフを、上田さんたちは新たなアプローチで再定義しようとしている。ファッション誌・メディアとのタイアップなどで「ファッションアイコン」として打ち出し、あえてテニスをあまり知らない層に訴求しているのだ。
実は近年、アパレル市場でもテニスファッションは注目されており、とりわけ70~90年代のクラシカルなアイテムが人気を博している。例えばビームスが展開するアパレルブランド「Settin」は、90年代のサンプラスやアンドレ・アガシがまとっていた「だぼっとしたスタイル」をオマージュしたテニスファッションが特徴だ。
ウイルソンのアパレルラインでも、シックなカラーリングとシンプルなデザインのクラシカルなウェアを展開。2024年に「創業110周年」を記念して発売した「ヘリテージコレクション」も人気だ。プロスタッフ クラシックの「懐かしい」カラーリングは、そのクラシック回帰のファッショントレンドと相性がよいのだ。
「ファッション領域へのアプローチも含めて、かつてのプロスタッフにあった所有する喜びや高揚感を現代に伝えていきたい。『このラケットを持ちたいからテニスを始めてみたい』という若いファンを増やしたいですね」(上田さん)
思えば、1990年代のコートには、憧れの選手のウェアを“完コピ”した「全身エドバーグ少年」「全身サンプラス少年」たちがいた。彼らが手にしていたのはもちろん、プロスタッフだ(扱えていたかどうかは別として)。数々の王者に愛されてきたプロスタッフは「ファッション」の象徴でもあるのだ。
「チャンピオンに愛された名器」の物語と「所有する喜び」を再び現代によみがえらせ、未来へと伝え継ぐ。プロスタッフ クラシックは、ギアへの憧れを通じてテニス文化を再興する、1つの契機となるだろうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら