「結婚式がなくなる時代」に結納専門店はどう生き残る?→101年続く"老舗"を救った「昆布で切り絵」の《発想転換》

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高桑さんが昆布を使った商品の開発にこだわるのは、長年にわたり富山県が昆布の消費量日本一の「昆布王国・富山」だからである。見た目に美しい細工昆布や実用的なぐいのみを県外からの来客に知ってもらいたいと考えている。そこから、昆布を素材として活用した新商品の発想につながった。

高桑乃し店
富山の名産品「ます寿し」を細工昆布で飾ると、紅色と緑のコントラストが美しい料理に(写真:高桑稔)

「知恵を絞り、できることは全部やった」

2004年末に移転オープンした時、高桑さんは「ここは何の店だろう?」と思ってもらいたくて、店頭にはあえてのし袋などを置かない店構えにした。結納品という創業以来の基本は忘れないものの、20年以上かけて新しい可能性を模索してきた。

茶道関係者の助言で細工昆布の種類を増やし、地元企業をバックアップする「富山県よろず支援拠点」に相談してパッケージを工夫し、海外にPRするECサイトを制作、PR動画も作るなど、高桑さんは「知恵を絞り、できることは全部やった」と話す。

高桑乃し店
カップラーメンも、細工昆布を載せればこんなに華やかに(写真:高桑稔)

「当店に『細工昆布』があって本当によかったと思います。富山をPRしたいという思いで生み出したヒット商品が、慶事を演出する伝統的な商いとの相乗効果を生みました。祖母が創業した店が101年目を迎えることができたのは昆布関連商品のおかげです」

昭和・平成・令和と時代が進むにつれ結納は簡略化されてきた。また、水引を作る職人も少なくなっているという。しかし、結納そのものはなくならず、ニーズは多様化している。丁寧にニーズを拾い上げつつ、昆布関連商品で窮地を救った高桑さん。細工昆布の美しさを伝える写真をSNSにアップし、和食業界へのPRに余念がない。

高桑乃し店
色鮮やかなすしの飾りに細工昆布(写真:高桑稔)
若林 朋子 フリーランス記者
わかばやし ともこ / Tomoko Wakabayashi

1971年富山市生まれ、同市在住。元北國・富山新聞記者。新聞記者時代は20代にスポーツ全般、30代に教育・研究・医療などを担当した後、退社しフリーランスとなる。Webメディア・雑誌・書籍・広報誌などで執筆。聞き書きなどで携わった書籍は『世界も驚くおいしいパン屋の仕事論』(PHP研究所)など。北陸を拠点に活動し、魅力的な人・場所・出来事との出会いを発信していきたい。

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