ハード先行で用途曖昧だったAI PC、レノボ「Qira(キラ)」が示す普及のリアルと次の成長条件とは

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1点目はデータの分散だ。社内のさまざまな場所にデータが点在しており、これをどうまとめるかが課題になっている。デジタル化されていないデータ、構造化されていないデータも多い。

2点目は人材とスキルの不足だ。AIを理解している人材がまだ十分にいない。国によって状況は異なるが、全体として人材が足りていない。

3点目は投資先の選定だ。マーケティング、財務、製造など、どの領域にAIを導入すべきかの判断が難しい。「AIをやっています」では答えにならず、具体的にどこで使うのかを決める必要がある。

次の波は「フィジカルAI」

バブ氏は、AIの次の進化として「フィジカルAI」を挙げた。AIとロボットを組み合わせ、物理的な作業を実行する技術だ。

会場では、カメラを搭載したロボット犬のデモンストレーションが行われた。施設内を巡回し、映像データを中央サーバーに送信する。AIエンジンがリアルタイムで映像を分析し、異常を検知する仕組みだ。

会場で展示されたカメラ搭載のロボット犬
会場で展示されたカメラ搭載のロボット犬。AIエンジンと連携し、施設内の巡回や異常検知を行う(写真:筆者撮影)

「エージェント型AIは、データを提供するだけで終わりではない。これからは実際に我々の代わりにアクションを起こしてくれるようになる」

ロボット手術のように、すでに実用化されている分野もある。AIが判断し、ロボットが実行する。医療分野では最終的な制御は医師が担うが、AIとロボットの連携は着実に広がっている。

バブ氏自身も日常的にAIを活用しているという。「東京に出張する時、天気を調べるのにGoogleは使わない。Perplexityに聞く。社内の会議ではCopilotを使って議事録をまとめている。AIのおかげで効率が上がった」

AI PCは、ハードウェアが先行し、ソフトウェアが追いついた段階にある。バブ氏の言う技術サイクルに当てはめれば、これから本格的な普及が始まる。「今後数カ月、数四半期にわたってAI PCは大きく伸びていく」とバブ氏は見通しを語った。

QiraのようなパーソナルAIエージェントが普及すれば、PCの選び方も変わってくる。CPUやメモリの数字ではなく、「どんなAIが動くか」が購入基準になる時代が近づいている。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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