"AI製音楽"の再生が「推しの不利益」に繋がるワケ Spotifyは1年間に7500万曲以上の「スパム楽曲」を削除

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動画編集プラットフォームKapwingの調査によると、YouTubeショートに表示されるコンテンツの21〜33%がAIスロップに当たる可能性があるという。

AIスロップがもっとも見られている国はスペインであり、エジプト、アメリカと続く。日本はあれだけ騒ぎになっていても、18位と世界的に見れば順位が高い方ではないのだ。

最も再生回数が多いAIチャンネルは、インドの「Bandar Apna Dost」で、総視聴回数は20.7億回だ。サルが登場するシュールな動画を多数投稿しており、言語を超えて楽しめる点が人気のようだ。

YouTube
(写真:YouTubeをスクショ)

グーグルは、25年7月にYouTubeパートナープログラムのポリシーを変更。「大量生産された、繰り返しの多いコンテンツ」の制限を強化するとした。26年年始より、ショート動画においてアカウント停止や収益化停止などの処分が相次いだが、この多くが生成AIなどにより既存コンテンツを再構成して大量に公開されたものだった。

YouTubeでは、投稿頻度が高いチャンネルは活発と認識され、検索やおすすめに表示されやすくなると言われている。もちろん一定の品質が保たれていることが前提となるが、AIスロップは生成AIによって大量生産でき、ブレインロットは強い中毒性を持って視聴されるため、AIチャンネルやコンテンツに有利に働く。その結果、大量のAIコンテンツに席巻された状態となってしまっていると考えられるのだ。

アーティストの正当な収益が生成AIに奪われる

Spotifyは25年9月下旬、過去1年間に7500万曲以上の「スパム楽曲」を削除したと発表した。1日20万曲以上に当たる計算だ。

同年には、生成AIで作成した数十万の楽曲を同プラットフォームで配信し、自身が開発したボットアカウントで再生し続けることで、14億円以上を不正に得た男が逮捕されるストリーミング詐欺事件も起きている。

Spotifyの場合、プラットフォーム全体の合計再生数における各アーティストのシェアに応じてロイヤリティを支払う仕組みのため、ストリーミング詐欺は、結果的にアーティストの正当な収益が奪われることになってしまうのだ。

Amazonでも、生成AIコンテンツが幅を利かせていたことがあるようだ。Amazonで販売されていた生成AIで書かれたと思われる4冊のキノコ採りガイド本を、AIコンテンツ検出ツール企業で調査したところ、AIスコアが100%となったという。

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