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"AI製音楽"の再生が「推しの不利益」に繋がるワケ Spotifyは1年間に7500万曲以上の「スパム楽曲」を削除

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  • 高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
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あるキノコ採りガイド本では、食べられるキノコの見分け方として「臭いと味を参考にせよ」とするものまで見つかっており、当然ながら危険性が高い誤ったアドバイスといえる。

Amazonでは、著名人が亡くなった直後などに、生成AIによる低品質な伝記が多数並んでいたこともある。その多くはインターネット上で集められる内容の薄い本ばかりだった。

23年8月には、無関係の人物が実在の作者になりすまして生成AI製の書籍を販売していたとして、全米作家協会が声を上げ、ようやく削除されるようになったところだ。

AIスロップは通報、ブロック、スワイプを徹底

AIスロップやブレインロットが引き起こす問題は、決して小さくない。生成AI作成の低品質なコンテンツは、多くの場合、収益目的で投稿される。アーティストや作家にとって収益が不正に奪われるだけでなく、低品質なコンテンツがあふれかえることで役立つ情報や求めるコンテンツが見つけづらくなり、ユーザー体験の質も低下してしまうだろう。

AIスロップと感じられる不自然な動画が表示されたら、できるだけ早くスワイプして興味がないと示すことだ。長く視聴してしまうと、プラットフォーム側がそのようなコンテンツに興味があると考え、表示が増えてしまうことになる。

AI製と疑われる楽曲が流れてきた場合は、その楽曲を非表示にしたり、アーティストを報告したりする方法もある。プレイリストで「好みに関するデータからプレイリストを除外する」を選ぶと、そのジャンルがおすすめに表示されづらくなるはずだ。

自動再生にしておくと、AI製の質が低い曲が混じる可能性もある。新しい曲を知りたいのであれば、信頼できる人がおすすめする曲から選ぶといいかもしれない。

生成AIコンテンツがあふれかえるこの時代、コンテンツの出所を意識することも大切だ。動画投稿者やチャンネル、作者やアーティストなどはプロフィールや過去作品なども見極め、AmazonやKindleなどではレビューの中身も確認し、信頼できるものを選ぶことを心がけてほしい。

われわれの日々の行動が、アーティストの正当な収益を守り、我々の体験を快適なものにすることにつながるのだ。

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