リカちゃんキャッスルで見かけた"1人で楽しむ大人の姿"…大人向け「リカちゃん」売り上げ約6倍に拡大のワケ
向井さんによれば、時代性やトレンドに応じて調整してきた部分は多い一方で、あえて手を入れてこなかった要素も少なくない。
「ロングセラーである以上、進化させなければ“古きよきもの”で終わってしまうという危機感は、常にあります。ただ一方で、変えすぎてしまうと、これまで続いてきた遊びの継続性が失われてしまうとも思っています。そのため、着せ替え人形として長く遊ばれることを前提に、体の大きさや洋服・小物の互換性は、できるだけ変えないようにしてきました」
顔の表情も同様だ。時代に合わせて細かな調整は重ねてきたものの、左流し目に代表されるリカちゃんらしさの核となる部分は、大きく変えていないという。
また、リカちゃんの立ち位置を考えるうえで、ひとつの転機となったのがコロナ禍だった。
外出や対面での遊びが制限され、おうち時間が長くなったこの時期、子どもたちの遊び方そのものが大きく変化した。そうしたなかで発売されたのが、温度変化で髪の色が変化する仕掛けを持つ「ゆめいろリカちゃん」だ。
「販売データを見ても、それまでとは明らかに異なる伸びを示していました」
外出が制限され、家庭内で過ごす時間が増えたことで、子どもだけでなく親世代がリカちゃんと触れ合う機会も増えた。かつて遊んだ記憶を持つ世代が、子どもと一緒に再び手に取る。そこで生まれた再会が、新たな大人ファンを獲得した側面もあるのではないだろうか。
平成世代を意識した手頃な価格の新シリーズ
2026年2月からは、従来のリカちゃんとは異なる切り口で企画された新シリーズ「ぷちリカちゃん」を展開している。約7cmというサイズは、通常のリカちゃんの約3分の1。主力のリカちゃんの姿は変わらず維持したまま、ブランドの裾野を広げる新たな挑戦だ。
集めて、飾って、持ち歩くことを前提とした、ミニドールとしての位置づけになる。第1弾では、サンリオやナルミヤ・インターナショナルとのコラボレーションが実現し、平成世代を意識した商品となっている。
「子ども以外の世代にブランドとの接点をどう広げるかは、長年のテーマでした。軸足は子どもに置きつつも、大人にも響く設計を模索してきました」




















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