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リカちゃんキャッスルで見かけた"1人で楽しむ大人の姿"…大人向け「リカちゃん」売り上げ約6倍に拡大のワケ

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  • 丹羽 桃子 工場見学マニア・ライター
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かつてリカちゃんは、子どもたちにとって「憧れ」を体現する存在だった。テレビや雑誌の向こうにいるアイドルのように、現実とは少し距離のある存在として、その役割を長らく担ってきた。しかし現在、その立ち位置は大きく変わりつつある。

20年以上にわたりリカちゃん事業に携わってきた、株式会社タカラトミー HITSビジネス本部 リカちゃん事業部 部長の向井里奈さんはこう語る。

「昔のリカちゃんは、なりたい自分を投影する存在でもありました。今は、親友だったり、子どもだったり、相談相手だったり、遊ぶ人の立場によって距離感が変わってきています。昔に比べると、より身近な存在になってきていると感じています」(向井さん 以下同)

向井里奈さん(写真:筆者撮影)

売り上げのうち約2割は大人層

この変化の背景には、時代そのものの変化がある。会いに行けるアイドルやYouTuberに象徴されるように、距離の近さが支持につながる時代になった。人々が求める「憧れ」のかたちも変わり、それにともなって、キャラクターとの関係性も変化してきた。その変化は、リカちゃんにも表れている。

近年、YouTube上では、等身大の自分と重ね合わせる「現実を生きるリカちゃんねる」など、メーカーが想定していなかったリカちゃん像が、一般ユーザーの手によって広がっている。

かつてであれば、「憧れの存在像から外れる」として、敬遠されていた可能性もあるコンテンツだが、そのユーモアと観察力のある投稿が話題を呼び、幅広い層から共感を集め、支持を得ている。(Instagram115万フォロワー、YouTube登録者数80万人)

向井さんによると、最近のリカちゃんの売り上げのうち約2割は大人層が占めているという。近年注目される「キダルト(Kid+Adult)」市場や、平成カルチャーの再評価といった潮流も無関係ではないだろう。

この数字は、単なる懐かしさ消費を超えた動きを示している。では、ここ数年で具体的に何が変わったのか。

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【リカちゃんブーム3つの要因】

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