Instagramが若者に与えた "格差"→「SNSを利用して稼ぐインフルエンサー」と「劣等感を煽られる大衆」に二極化する実態

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要するに、閉鎖的な情報環境が構築されるのは、インターネットだけでないということだ。学校、職場、議会、ニュース番組のスタジオ―。リアル空間でもエコーチェンバーは簡単に形成される。

タバコが推奨されていた過去

例えば、20世紀最大の娯楽の1つだったタバコを見てみよう。タバコが肺癌などの深刻な健康被害をもたらす科学的証拠は、1940年代から既に研究者たちによって公表されていた。

タバコ産業は、産業防衛のために、研究者たちに莫大なカネをバラ撒いた。そして「タバコによる健康被害は取るに足らないレベル」といった捏造論文を大量生産させた。医師業界にも莫大なカネをバラ撒いて「私もタバコを愛用しています」と医師が実名で顔を晒すポスターを大量生産した。

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それだけではない。新聞やテレビや雑誌や映画にも、莫大な広告費を投入して「タバコを吸う大人はカッコいい」というイメージを社会全体にバラ撒き続けた。絶大なスポンサーとなってくれたタバコ産業に対して、マスメディア産業はあまりに無力だった。

アメリカ政府の統計によれば、1950年代には成人男性の55%程度が喫煙者となっていた。日本政府の統計でも、1960年代には成人男性の85%前後が喫煙者となっていた。そこには、タバコ産業が莫大なカネを投じて社会全体に形成したエコーチェンバーがあった。

タバコ産業が教えてくれたのは「情報の真偽は情報枠を買い取る資本によって決定される」ということだった。かつてタバコ産業が資本を投入し続けて生み出されたエコーは、現在もなお、中高年ヘビースモーカーの脳内でこだまし続けている。

大田 比路 著作家

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おおた ひろ / Hiro Ota

早大法、早大院(修士)、 早大政経助手を経て、現在は個人投資家。著作家。都内在住。主著『政治的に無価値なキミたちへ』(イースト・プレス)。早大講師(社会科学領域/非常勤)兼任。x.com/xlix

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