7月になると、お腹の調子がおかしいと感じることが増えた。キリキリ痛むとか、ズシンと痛むとかというのではなく、じんわりと痛む「鈍痛」だった。転職先での忙しさもあって病院には行かずにいたら、やがて違う症状も表れてきた。
「右の肩甲骨の下あたりが痛くなったんです。最初はスポーツジムで筋を痛めたのかもしれないと思いましたが、症状をネットで検索してみると、胆石による急性胆嚢炎が表示の上位に出てきたので、もしかして……と思い始めました」(山口さん)
それでも、病院に行くのをためらった。前職は医療絡みの仕事をしていた山口さんは、胆石による急性胆嚢炎は手術以外に治療法がないことを知っていたからだ。
それで手術回避という一縷の望みを託して、胆嚢炎に効くといわれる漢方薬を飲んでみることに。だが、鈍痛は治らないどころか、増すばかり。絶え間なく続く痛みのせいで、夜も眠れなくなってしまった。
ガマンの限界を感じた山口さんは、こうして主治医に相談することになったのだ。
「患者のほうから『急性胆嚢炎ではないか』って病名を出して相談したら、医師によっては『勝手に診断するな』と怒り出す人もいると思うんですよ。でも、私の主治医は穏やかな人なので、大丈夫でした。しかも、ズバリ的中でしたね」と山口さんは話す。
「ビフテキ」ではなく「タンテキ」
それにしても、山口さんの胆石が、たった数カ月で10倍ほど大きくなっていたことに驚く。山口さん自身も念のため医師にも聞いてみたそうだが、原因は「わからない」という答えだった。
ネットの情報で恐縮だが、胆石ができる原因について調べると、その1つにストレスが挙げられている。彼の場合はどうだったのだろうか。
聞いてみると、「特に心当たりはないんですよ。ただ、私が意識していないだけで、転職がストレスだった可能性はありますけど」と笑う。
また、胆石の原因はストレス以外に肥満、食べすぎ、不規則な食生活、飲酒、喫煙、運動不足などがあるようだ。だが、山口さんの場合、飲酒はほどほど、タバコも吸わず、スポーツジムに通うなどの運動習慣もあった。




















