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中国が鉄鋼輸出許可制導入の裏側。対外配慮だけでなく税収減対策の側面も、ダンピング輸出を是正

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1月からの輸出許可制では鋼板だけでなく粗鋼や鋼線、ステンレス鋼まで、ほぼすべての鉄鋼製品が対象となる(イメージ写真:Mizoe/PIXTA)

中国政府は2026年1月1日よりほぼすべての鉄鋼製品について輸出許可制を導入する。商務省と税関総署が12月12日、共同で発表した。

複数の業界関係者が財新に語ったところによると、「輸出許可管理対象貨物目録」には、銑鉄、粗鋼、ビレット、コイル、板材、H形鋼、鋼線、さらにはステンレス鋼も含まれ、中国の鉄鋼輸出のほとんどに許可証の取得が義務付けられる。

中国の鉄鋼生産能力と生産量は、世界全体の半分を占める。22年後半以降、国内の鉄鋼需要の減少と過剰生産能力に加え、海外市場における中国鉄鋼製品の価格競争力の高さも相まって、中国の鉄鋼輸出は急増を続けている。23年には前年比36.2%増の9026万4000トンに達し、24年には同22.7%増の1億1000万トンの大台に乗せた。

鉄鋼でも安値輸出が急増

25年1~10月には前年同期比6.6%増とやや減速したとはいえ、9777万7000トンに達し、2年連続の1億トン超は確実な情勢。一方、平均輸出価格は同8.7%安い1トン当たり695.4ドル(約10万9000円)で、安値輸出が増えていることを示している。

財新の取材によると、輸出許可制導入の主な目的の一つは、不正な手法によるダンピング輸出を取り締まることにある。過去3年間の鉄鋼輸出では「買単輸出」と呼ばれる不正な手法が数多く使われていた。本来輸出権のない企業などが通関書類などの必要書類を買い取って(中国語で「買単」)、他社の名義で輸出、かつ金額も実際より低く申告する手法だ。

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【不正輸出、なぜ急増?】

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