SMBC「Trunk」が拓く中小企業の成長と未来 「安さ」「早さ」「信頼」で選ばれる新しい法人口座

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頭取CEO 福留 朗裕氏
人手不足が重くのしかかる中小企業では、社長自ら経理業務を抱え、経営の負担となるケースが少なくないという。こうした課題を決済サービスの側面から解消し、経営者本来の活動に専念できる環境を整えるため、三井住友銀行(SMBC)は法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk(トランク)」を立ち上げた。2025年5月のリリースから約2カ月で1万口座を突破し、利用企業の広がりが加速。将来的には総合的な金融サービスへと進化させていく構想だ。「Trunk」誕生の背景と展望について、頭取CEOの福留朗裕氏に聞いた。

進化するデジタルを実装、中小企業が直面する経営課題に挑む

――「Trunk」誕生の背景にある市場環境や課題認識についてお聞かせください。

頭取CEO 福留 朗裕氏
頭取CEO
福留 朗裕

福留 金利のある世界へと戻ったことで、資金をただおいておくのではなく、有効に使うことで価値につなげる必要性が改めて意識されるようになりました。その結果、企業の意思決定のスピードが上がり、投資にも積極性が見られるようになり、市場全体が活気づいているとも実感しています。しかし同時に、深刻な人手不足が中小企業を直撃しています。かつては特定の業種に限られていた課題が、ほぼすべての業種に広がりました。こうした環境下、私たちは多様な企業にヒアリングを行い、課題を丁寧に洗い出しました。

そこで明らかになったのは、従業員数の少ない企業に特有の大きな課題があったことです。社長が経営の最前線に立ちながら、営業に奔走し、さらに経理まで担うなど、一人で会社全体を切り盛りしているケースが多く見られました。

SMBC グループが掲げるマテリアリティーの1つでもある「日本の再成長」に向けては、日本の企業の99.7%を占める中小企業の経営者が事業に専念できる環境を整え、成長を後押しすることこそが重要であると考え、「Trunk」の開発を決断しました。

――新しいサービスの開発が可能になった背景についてお聞かせください。

福留 私たちは、幅広いお客様へ良質なサービスを届けることを、変わらぬ使命としてきました。一方で、従来の営業担当者を通じた対応では、リソースにも限界があり、中小企業のニーズに十分に応えられていない現実がありました。

しかし近年、デジタル化の進展が状況を大きく変えました。イノベーションの力によって、これまで不可能だった広範かつ機動的なサポートが実現可能になったのです。

また、個人向け総合金融サービス「Olive」の成功で得た知見を、新たなサービス開発に生かせるタイミングでもありました。さらに、デジタルでの手続き等を前向きに受け入れるお客様も確実に増えています。

こうした環境変化を背景に、従来の延長線ではなく、新しいモデルのサービスを展開できる段階に入ったのです。

「安さ」「早さ」「信頼」で全国に広がる支持と期待

――Trunk」の独自性や強みについて教えてください。

福留 「Trunk」の大きな特徴は「安さ」「早さ」「信頼」にあります。

まず手数料です。国内約3000万口座にのぼる三井住友銀行口座宛ての振り込みが無料、他行宛てが1件当たり145円という料金設定によって、大きなコストメリットにつながります。ご利用中のお客様からは「取引コストを大幅に削減できた」との声が多く寄せられています。また、初期契約料や月額利用料も無料で、導入しやすい条件が整っており、多くのお客様に選ばれる商品性を実現しました。

次にスピードです。法人の口座開設においてはこれまで支店に何度も足を運んでいただき、1週間から数週間もの期間をいただいていました。「Trunk」では、ネットで申し込みが完結し、Web面談から最短翌営業日に口座開設することが可能になりました。

そして、メガバンクならではの信頼も大きな強みです。ありがたいことに三井住友銀行のネームバリューに関するお声も、ご利用者から頂戴しています。

法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk(トランク)」

――「Trunk」は、どのようなお客様に利用されているのでしょうか。

福留 口座を開設いただいた社長の平均年齢は40代と比較的若く、創業間もない企業やスタートアップが積極的に利用してくださっています。高校生が起業した法人もいらっしゃいます。一方で、100年以上の歴史を持つ老舗企業からも「こうしたサービスを待っていた」との声とともに、口座を開設いただいたケースがあります。また、ローンチ1カ月足らずで47都道府県すべてのお客様から申し込みをいただき、われわれの支店がない地域でも新たなお客様ができました。業歴や地域に関係なく幅広くご利用いただけていることは、サービスの可能性を裏付けるものだと確信しています。

――「Trunk」というネーミングに込めた思いについてお聞かせください。

福留 1つは、手で持ち歩く「トランク」です。どこへでもお客様と一緒に旅をし、使い込むほどに手になじんでいく、そんな思いを込めました。

もう1つは、「Trunk」が持つ「木の幹」という意味です。お客様の成長をしっかりと支え続ける存在でありたい、という願いを表現しています。

――今後の展開について教えてください。

福留 これからは、さらに商品性を高めていきます。例えば、請求書を写真で撮影するだけで自動的に振り込みに必要なデータを取り込み、すぐに振り込み手続きができる仕組みを追加予定です。

また、クレジットカードの仕組みを使って、資金繰りのご支援をするサービス、国や自治体の補助金についてアドバイスを行う機能の追加なども予定しています。テクノロジーの進化に合わせて、新しい機能を随時取り入れていくことで、経営者が本来の活動に専念できる世界をつくっていきたいと考えています。

――最後に中小企業の経営者に向けて、メッセージをお願いします。

福留 私たちは、全国の中小企業の挑戦を支える新しい仕組みとして、「Trunk」を立ち上げました。デジタルならではのメリットを生かし、これまでサービスの提供が難しかった地域のお客様にもご利用いただけるようになりました。これは、デジタルの力が持つ大きな可能性を示しており、実際に確かな手応えを感じています。

「Trunk」は、まるで経理部長を一人雇ったかのように、経営を支える存在を目指しています。有効活用していただくことで、少人数の企業でも成長を実現できる未来を描いていきたいと考えています。

私たちは「Trunk」を通じて共に成長しながら、日本の未来を築いてまいります。

「Trunk」について詳しくはこちら