実は筆者も、オウンドメディアらしきものを立ち上げてみたものの、成功しているのかよくわからないものの、やめる理由もないのでなんとなく続ける、という悩ましい経験をしたことがあります。
その点、古事記は実はかなり明確な目的を持って作られ、なおかつ1300年経った今でも我々現代人の中で広く親しまれていることから、オウンドメディアとしては大成功だったと言えるでしょう。
そこで今回はこの古事記の狙いと成立の背景から、現代のオウンドメディア運営へのヒントを抽出してみたいと思います。
オウンドメディアの方向性を示せているか
まず、古事記が作られた背景ですが、8世紀初頭といえば、朝廷の政権基盤がまだまだ不安定だった時代です。そこで天皇家の歴史をあきらかにし、個々の家々が持つ歴史観を天皇を中心としたものに統一することは、政治体制の安定にとても重要なことだったのです。これが天武天皇が古事記編纂を命じた狙いだったと言われています(参考:國學院大学HP「古事記について」)
古事記は明確な役割を規定してつくられました。では、あなたの会社のオウンドメディアは、明確なビジネス上の役割を規定してスタートしているでしょうか。実はオウンドメディアの方向性を示すことは事業課題をクリアに示すことでもあり、突き詰めるとトップである経営者の力量を試されている場面でもあるのです。
「ステークホルダーとのエンゲージメントを高める」というとなんとなく聞こえはいいのですが、ちょっとはっきりしませんね。
他に古事記には2人のキーマンが関わっていました。稗田阿礼と太安万侶です。稗田阿礼は「見たものをすぐに物語に変えられる」といわれた28歳の天才で、この時代各地に口承で伝えられてきた物語を暗記し、これらを咀嚼し古事記のストーリーとして再構成します。
天岩戸隠れやヤマタノオロチ退治のような壮大なドラマもあれば、植物のサヤに乗ってやってきたスクナビコナ、田んぼのかかしでこの世の全てを知っているクエビコなどの愛さずにはいられない魅力的なキャラクターが古事記の中では躍動しています。こうした古事記の作品性には稗田のクリエイターとしての才能が大きく貢献しています。
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