台湾の問題は米中の問題であり台湾は解決できない問題だ、台湾の民主主義もまだ成熟しておらず、与野党が学習中の段階

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――ところで、あなたは国民党が育成した人材だった。なぜその後、国民党に反対する道を選んだのか。

私は1967年にイギリスに留学した。世界で学生運動が盛んだった時代だ。そうした思想の影響を受けて台湾を振り返って見ると、当時は戒厳令下で、国民党は独裁的、非民主的だった。台湾を変えたい、他の国と同じように台湾も民主主義に向かってほしいと思った。民主、自由、開放といった価値観に基づいた選択だった。

――国民党内部からの改革は考えなかったのか。

それは不可能なことだ。イギリスから帰って、国民党中央党部で働き、改革を訴えた。その後、台湾省議会の議員になって、具体的な改革を提案した。そのために国民党と絶えず衝突することになった。

国民党の制止を振り切って桃園県長(=県知事)選挙に出馬したことで、私は除名された。それ以降、私は台湾の民主化を推進する道を歩んできた。

民進党は「閩南人」中心主義

――民進党で主席も務めたあなたが、総統選挙に出馬するため一時は民進党を離れた。

私は、台湾の「本省人」(戦前からの台湾住民とその子孫)のうちで「客家人」という少数グループだ。しかし、民進党は基本的に「本省人」の中で最大人口の「閩南人」中心主義だ。私はこれに我慢できなかった。これが、民進党の非常に大きな問題だ。例えば、アメリカの白人主義のようなものだ。

台湾で「外省人」(戦後に台湾に渡ってきた中国大陸出身者とその子孫)は少数グループだが、かつての国民党政権時代にはその少数が多数を統治していた。多数である「閩南人」がこれに反抗するのは理にかなっている。しかし、「外省人」が統治者でなくなれば、彼らに対して以前と異なる態度で接しなければならないはずだ。

他の民進党員と違って、私はこのことを強調し続けた。国民党政権が崩壊し、民主化したにもかかわらず、過去と同じように「外省人」を敵だとみなすことには、私は賛成できない。台湾の多くの問題は、この「閩南人」中心主義と関係している。私が当時、民進党を離れたのも、これが原因だ。

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