台湾の問題は米中の問題であり台湾は解決できない問題だ、台湾の民主主義もまだ成熟しておらず、与野党が学習中の段階

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――米中関係は将来、改善する可能性はあるか。

第2次世界大戦後、アメリカは世界の覇権を握った。現在の世界の秩序はアメリカが構築した。アメリカは与野党から庶民に至るまで、その覇権が中国からの挑戦を受けていると考えている。

今日、中国だけがアメリカに挑戦する能力、そして意欲を持っている。これがアメリカでのコンセンサスだ。アメリカが中国を挑戦者とみなす限り、対抗は必ず続く。誰が大統領になろうと、どの政党であろうと、アメリカが譲歩することはない。

中国はアメリカに取って代われない

――そのアメリカが変化している。アメリカは覇権を握り続けることができるのだろうか。

極右のトランプが大統領に選ばれたのは、アメリカ内部の人種問題、つまり白人至上主義が原因だ。彼にとって、この世界の秩序は不要だ。アメリカは単独で、中国からの挑戦という問題を処理しようとしている。

しかし、アメリカがどうであろうと、トランプがどうであろうと、世界の大多数の国は皆でこの秩序を維持しようとする。では、中国がアメリカに取って代わることができるのか。それは不可能だ。

なぜなら、中国は輸出国であって、輸入国ではない。アメリが関税を引き上げた時、それならこっちに売ってくれと中国が言ったら、アメリカに取って代わることができる。しかし、中国は国家としての性質がそうなってはいない。しかも、中国の政治、イデオロギーに対して、世界の大部分の国が危惧を抱いている。

私は、トランプ時代が長く続くとは考えない。トランプの考え方は、非常に時代後れだ。彼の政策でアメリカは再び偉大にはならないし、復興することもない。アメリカは民主主義国家なのだから、短期内に本来の正常さを取り戻すだろう。世界はこの秩序を必要としている。

そして、中国もやはりこの世界秩序を支持しており、自由貿易を支持している。自由貿易の最大の受益者は中国なのだ。

――「台湾有事」と言われるように、台湾海峡は世界で最も危険なエリアだと見られている。

習近平(中国国家主席)は、リスクを冒す人間ではなく、慎重な人間のようだ。少なくとも習近平が権力を握っている間、中国が台湾に対して軍事的なリスクを冒すとは、私は考えていない。

アメリカがアジアから撤退することは、アメリカの国内政治が認めない。中国が本当に武力で台湾を統一しようとするなら、大規模な軍事行動になる。通常の武力では、中国の台湾への武力侵攻を阻止することは困難だから、必ず中国を攻撃し、世界大戦になる。そうなれば、核戦争だ。このような危険性を、中国も知っているはずだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事