「延々と夢を語ってただけ」 一時"辞任会見"がトレンド入りした石破首相の国会閉幕会見が《悪手》でしかなかったワケ

6月22日の通常国会閉幕を受けて、翌23日夜に首相官邸で記者会見を開いた石破茂首相。その内容がネットで“炎上”し、政界関係者の間で話題となっている。
会見では、石破首相が約50分間、少数与党下の国会審議での苦労や成果などについて、スタッフが作成した詳細なメモを読みながら淡々と報告。これを踏まえた記者団の質問にも、政局の展望も含めて、ほとんど同じメモを見ながら応答した。
国会閉幕直後の会見は恒例行事だが、会期末当日に実施された東京都議選挙で自民党が大敗したこともあり、SNS上では開始前から「辞任会見」がトレンド入り。会見が始まると、石破首相の応答内容に対し、中継のコメント欄は「なんで減税しないの」「今日より明日がよくなるなんてあり得ない」「時間と税金を返せ」となどの辛辣な書き込みであふれた。
こうした状況に、政府・与党内からも「追いつめられたときこそ、メモ読みでなく、自分の言葉で国民に訴えるべきだ」(閣僚経験者)などの不満や批判が噴出。党有力幹部も「もはや八方ふさがりでのアリ地獄、もがけばもがくほど穴の底に沈むだけだ」と冷笑するなど、石破首相のさらなる求心力低下は避けられそうもない。
石破首相が唯一メモから目を離した瞬間
石破首相はまず約20分の冒頭発言の中で、衆院で少数与党下の国会運営について「党派を超えた合意形成、真摯な国会審議に私なりに努めてきた」と強調。政府が提出した法案59本のうち58本、条約13本すべてが成立したことも指摘し「一定の成果を残せた」と胸を張った。
また、自らが描く社会像については「『きょうよりあすはよくなる』と実感できる日本を実現する」として、2040年にGDP(国内総生産)を名目で1000兆円にするとともに、国民の平均所得を5割以上、増加させることを目指す方針を改めて示した。これに併せて、当面の対応については最低賃金を2020年代に全国平均1500円とする目標を達成するため、5年間で集中的に取り組むと説明した。
さらに、自民党が参院選の公約として掲げた国民1人当たり2万円(子どもや低所得者は4万円)の現金給付については、「バラマキではなく、本当に困っている方に重点化する給付金だ」と、その意義と効果をアピールした。
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