「フジ社員逮捕」で波乱含みも…“異例の大規模開催” フジ・メディアHDの株主総会で、フジテレビに《CMが戻ってくる》が現実的であるワケ

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最も気になるのが、スポンサー(広告主)の意向だ。

内閣官房は6月3日付で、各府省庁の判断で広告出稿の再開を認めるとした方針を発表している。また、その理由について林芳正官房長官は「(再発防止に向けた)取り組み状況などを踏まえた」と説明した。

これに対しては批判も大きく、広告再開には至っていないのが現状だが、再開への地ならしはでき始めていると見られる。

同日には、経済同友会代表幹事でサントリーホールディングスの会長も務める新浪剛史氏が、広告再開に関して「最終的には株主総会を見たうえで最終判断をしていくというのが一番いいのかなと思います」と述べている。

最終的には、スポンサーが気にするのは視聴者の意向だ。「視聴者から文句が出なければ、CMを再開してもよい」というのが、大半のスポンサー企業の意向ではないかと思う。

本格的な信頼回復へは道半ばではあるものの、ステークホルダーからの一定の信頼は勝ち得ているように見える。

株主総会後に「CMが戻る」理由

テレビ局は4月と10月に大きな番組改変が行われるが、番組提供のスポンサーは改変の2カ月くらい前に決まっていく。つまり、テレビ局としては、次の改変の番組提供のスポンサーは8月頃には確定したいというところだ。

フジテレビにしてみれば、株主総会を無事に乗り切って、広告営業も通常化し、秋改変時には番組提供スポンサーが戻ってくる――というシナリオを描きたいところだろう。

企業にとってみても、広告予算は確定しており、テレビCMにかける予算も一定額を確保しているのが通常だ。テレビCMの枠には限りがあり、「フジテレビにCMを出せないなら他局に出す」というわけにもいかない。

「テレビは過去のメディア」「テレビCMは効果がない」という意見もある。この意見には一理はあるのだが、正論とも言いがたい。

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