「絶対何か隠してるだろ」「日テレには誠実さがない」との声も出てしまった…。日テレ「国分太一騒動で会見」がもはや逆効果だった訳

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番組そのものは継続し、国分さんは降板を了承したとする一方、「国分氏のコンプライアンス上の問題行為の詳細については、プライバシー等の観点から配慮すべき点が多く、説明を控えさせていただきます」とした。

コンプライアンス上の問題行為が複数あったと日テレが発表。しかし、詳細は伏せられた(画像:日テレホールディングスHPより)

HDと放送網、両方の社長である福田氏は同日、記者会見を開いた。事案を5月27日に知り、第三者弁護士による調査と、国分さん自身へのヒアリングを通して、6月18日に本人へ降板を伝達したとした。

しかし、会見でも発表文を踏襲する形で、「コンプライアンス上の問題行為」の詳細には触れられなかった。

取材陣の質問に対しても、「申し上げられない」の連発で、SNS上では「何ひとつ明かせないなら、やる意味がない」「なにか重大なことを隠しているのではないか」といった批判や疑念がうずまいている。

「被害者がいるのか」「発生時期」についても明かされず

「申し上げられない」だらけで、視聴者には後味の悪さを残した。筆者も約1時間20分にわたる会見を眺めていたが、この内容であれば「悪印象を残すだけで、日テレにとって、何の得にもならない会見だ」と感じた。では、具体的に「何に触れず、何に触れたか」を振り返ろう。

まずは「事案の具体的内容に触れなかった」ことだ。セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなのかなど、その分類すら明かされなかったため、何を根拠に降板に至ったのかがわからない点が、視聴者の混乱を招いた。また、「被害者がいるかどうか」や「発生時期」についても明かされなかった。

これらは「コンプラ違反」を判断する上で、根幹をなす部分だ。だからこそ視聴者は興味を持ち、会見場では一部の記者から、何度も同じ質問が投げられたが、いずれも福田氏は明言できないと繰り返した。この問答から「日テレには誠実さがない」と感じさせる要因となっているようだ。

ただし、こうした放送局側の対応には、前例がある。1月にTBSラジオが、フリーアナウンサー・生島ヒロシさんの番組降板を決めた際に、同局は「重大なコンプライアンス違反」を理由にしつつ、詳細については「関係者のプライバシー保護の観点から、説明を控え」るとした。

なお、その日のうちに、当時の生島さんの所属事務所は、具体的な事案の説明とともに、パワハラとセクハラの認識が欠落していたと謝罪している。どちらも書面による発表で、会見は開かれなかった点が、今回のケースとは異なる。

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