「あこがれるの、やめませんか?」 大谷翔平に学ぶ、格上相手と対等に話す極意

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メジャーリーガーが集まるアメリカドリームチームを相手に、日本チームは勝利に輝いた。「対等」を意識して相手に臨んだから、100%の力を出せた。

そう、初対面の相手と仲良くなりたいときも、いったん、あこがれを封印する。相手と同じグラウンドに立つ。真剣勝負のスポーツと同様、普段のコミュニケーションでも「あこがれるのをやめましょう」。

シリコンバレー発「秒で心をつかむ話術」

では、どうやって「相手にあこがれる気持ち」を抑えればいいのか。

それには、世界標準のビジネスエリートが実践する、究極のコミュニケーションが参考になるだろう。

30秒で相手の心をわしづかみにする、「エレベータートーク」だ。あなたは新しい会社を立ち上げたばかりで、事業のための資金が必要だったとする。ある会社を訪ねたら、エレベーターで有名な投資家と乗り合わせた。目的の階に着くまでの30秒間で「もう一度会うための約束」を取り付けたい。さて何を言う?

あなたはあいさつもそこそこに、自分はどういう人間で、何をしたいのか、できるだけ印象に残る言葉を相手に投げかける。そして尋ねる。

「一度会って話を聞いてもらえませんか?」

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相手がOKを出せば成功。「時間がないのでさようなら」と言われたら失敗。これがエレベータートークだ。アメリカのIT起業家が集まるシリコンバレ―で、実際に起業家がエレベーターで 一緒になった投資家にアポを取り、資金調達にこぎつけたのが起源にあたる。

話す機会は「今しかない」となれば、あなたは短い時間で簡潔に、相手が興味をひくプレゼンテーションをして相手の心を動かそうとするはずだ。

相手に興味を持ってもらいたいときに、30秒でどう声をかけるだろうか。

重要なのは「私は、あなたにとって話す価値がある」とばかりに、自信を持つこと。

いくら著名な投資家でも、相手はあこがれの対象ではなく、対等な立場にいる人だ。何も気負うことはない。格上相手の心をつかむ前に、自分の心のありようを整える。話はそれからだ。

斉藤 真紀子 ライター

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さいとう まきこ / Makiko Saito

日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集スタッフ、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリーに。ウェブマガジン「キューバ倶楽部」編集長。共著に『お客さまはぬいぐるみ 夢を届けるウナギトラベル物語』

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