「学歴・スキル・印象」の重視が引き起こす"採用のミスマッチ"をどう防ぐか…令和の学生から《選ばれる会社》に必要な、たった1つの条件

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いつの時代も「自分の会社に合ういい人を求める企業」と「自分に合う会社を探している求職者」は存在し、双方がベストマッチを理想に掲げて採用活動と就職活動に励んでいます。

ただし、時代の流れとともに、変わってきたこと、変わりつつあることがあります。それは、求職者のニーズと、必要となる採用ツールです。

かつては、「強いビジネスモデル」が企業に求められ、求職者は求人広告や合同説明会、ナビサイトなどで企業の情報を得ていました。適当な表現をあてがうならば「事業マッチ」の時代です。

私自身が就職活動をしていた2016年ごろは、まだぎりぎり事業マッチの要素が強く、メガバンクや大手IT企業の人気がありました。当時、事業マッチが機能していた背景には、終身雇用を前提とした働き方が当たり前であったことも大きく影響しています。

就職とは「定年まで働く場を選ぶ」ことであり、会社を跨いで自分の市場価値を上げていくキャリア設計が、まだ一般的ではありませんでした。だからこそ、「この業界を目指す」「この業種で働く」といった視点からスタートし、強いビジネスモデルの企業に入ること自体が、十分な魅力だった時代背景があったのです。

「一部上場企業だから」だけでは評価されない

しかし、そのころ(2010年代後半)から、徐々に風向きが変わり始めます。強いビジネスモデルに加え、「社風」や「働きやすさ」といったその企業が持つ"カルチャー"を重視する求職者がどんどん増えていきました。同時に、クチコミやSNSが採用ツールとして無視できない存在になってきました。

コロナ禍が到来するとその風潮は加速し、「一部上場企業だから」「知名度が高いから」「給料がいいから」という理由だけでは、優秀な人はなかなか集まらなくなりました。制度面や環境面も充実させていないと、求職者から目を向けられにくくなったのです。

事業マッチから「カルチャーマッチ」へ。そんな時代になりました。そして今、採用・就職シーンは、次なる時代に突入しようとしています。"スタイル"が評価されるようになってきたのです。

ここでいうスタイルとは、単なる「社風」や「働き方」ではありません。企業が何を大切にし、それをどのような行動や意思決定で実現しているのか――。つまり、価値観そのものと、その体現のされ方を含めた「企業のあり方」を指しています。

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