「学歴・スキル・印象」の重視が引き起こす"採用のミスマッチ"をどう防ぐか…令和の学生から《選ばれる会社》に必要な、たった1つの条件
だからこそ、まず見直すべきなのは、「自分は、いつの間にかどんなフィルターを通して相手を見てしまっているのか?」。そして、「そのフィルターを外して、素の目で相手と向き合えているか?」、この2点となります。
「スタイルマッチ」は、見極める側の視点転換だけでは成立しません。
求職者に自社と"合うかどうか"を判断してもらえるだけの材料を、企業自ら差し出していくこと――これが、今の採用において、最も大切な姿勢です。

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就職が「定年まで働く場を選ぶ」ことだった時代
採用活動の視点がズレてしまう背景には、「何を基準にマッチングを考えるか」という社会全体の感覚が、ここ数年で大きく変わってきたことがあります。2010年代以降、「つながり」や「マッチング」のあり方は大きく変化しています。その変化を象徴しているのが、SNSの台頭です。
たとえば、X(旧Twitter)やInstagram、YouTube、TikTokなどのSNSでは、自分の価値観やスタイルを発信することで、「この人の考え方が好き」「この世界観に共感できる」といった"相性のいい"フォロワーや仲間が自然と集まっていきます。
今や、趣味・仕事・志向性といった幅広い要素でつながる「価値観ベースのマッチング」が、ごく当たり前のものとなりました。単なる情報発信の場から、深い共感をもとにしたつながりを築く場へと進化したSNSは、"マッチング文化"の広がりを象徴する存在ともいえるでしょう。
もちろん「マッチング」という概念そのものは、古くから存在するものです。人と人、人とモノ、人とコトのあいだに"相性"や"共感"を見いだし、うまく組み合わせることで、大きなパワーや可能性が生まれていく――。
この「ベストマッチ」から生まれるエネルギーが、何かを成し遂げる原動力になることは、論をまたないでしょう。ビジネスの世界でもそれは然りです。
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