ハーバードの学生なら知ってて当然?読者の心を掴む文章の書き方 ブロックを組み立てさえすれば、いつのまにか文章ができている

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ハーバード大学がメッセージを伝える手段として活用するエッセイは全部で5段落なので、1段落あたり300字書けば1500字のエッセイが完成する。

ブロックを組み立てるようにエッセイの下書きを書く

ハーバード式エッセイは、数値や事実、具体例などさまざまな情報を活用し、伝えたい内容を主張する論理的なエッセイだ。ハーバード大学で行われるライティング教育をもとに私がまとめたフレームワークである「オレオ公式(O.R.E.O.)」で組み立てた文章をエッセイにするだけで、頭にするすると入ってくる。つまり、オレオ公式を使ってエッセイを書けば、「5パラグラフエッセイ」を練習しなくてすむ。

オレオ公式は4ステップで構成されていて、各ステップが1つの段落だ。ステップごとに、論理の流れに沿って読み手が読みやすいように文章を並べれば、おのずとパラグラフ・ライティングが可能になる。ブロックを組み立てるように、「O.R.E.O.」でつくった文章をつなげてエッセイの下書きを完成させよう。

自分の意見に説得力をもたせるには、さまざまなアイデアやデータが必要だ。読み手が理解しやすいようにデータを分類し、配置しながら読みごたえのある文章を書けば、最後まで読んでもらうことができる。文章力の高い人は決まって、段落を構成するのがうまい。同じ意味をもつ文章のまとまりをつくり、段落をスムーズにつなげる。

エッセイをいくつかの段落で構成すれば、読み手が内容を把握しやすくなり、スピーディーかつ正確に文章を理解できる。オンライン上に文章を書くときも、文章のまとまりをつくって段落を分ければ、検索エンジンが段落の主要な情報をいち早く把握するので、検索されるスピードも速くなる。

オレオ公式を使って、「意見の主張、理由の説明、具体例の提示、意見の強調」をそれぞれ1文ずつ書いてみよう。ここで書いた文章は、各段落の要点になる。要点に補足説明を加えれば段落が完成する。こうしてつくった段落は、1つのミニエッセイと言っていいほど完成度が高い。単純なこの作業だけで4段落が完成するので、あとは読み手の関心を惹きつける導入部を追加すればよい。

各段落の文字数は、要点、補足説明を合わせて300字前後で十分だ。それでは実際に練習してみよう。

O: 観察力を磨くには、ひたすら集中するのが最も効果的だ。

1)要点

観察力を磨くには、ひたすら集中するのが最も効果的だ。

2)補足説明1

グローバルスタディによると、世界60カ国の主要企業の経営者1500人が、「今後5年間、企業経営とリーダーシップにおいて最も重要な要素」に「創造力」を挙げた。企業の未来が創造力にかかっていると知った多くの企業が、創造と革新を追い求めている。

3)補足説明2

今や革新が企業の生き残りを左右する時代だ。あちこちで革新と創造が叫ばれているが、実際に成果を出している企業を見てみると、どの企業もわずかな変化を見逃さず、観察することに力を入れている。

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4)まとめ

創造性とは、この世にないものを生み出すことではなく、観察力を発揮することをいう。きちんと見るには、よく見つめなければならない。記録したり、写真を撮ったりする行為は、むしろ観察の邪魔になる。よく見るためには、しっかりと、長く、深く、じっくりと見る習慣をつける必要がある。

要点と補足説明をつなげれば、300字前後の段落ができる。

[完成文]

観察力を磨くには、ひたすら集中するのが最も効果的だ。IBMグローバルCEOスタディによると、世界60カ国の主要企業の経営者1500人が、「今後5年間、企業経営とリーダーシップにおいて最も重要な要素」に「創造力」を挙げた。企業の未来が創造力にかかっていると知った多くの企業が、創造と革新を追い求めている。

あちこちで革新と創造が叫ばれているが、実際に成果を出している企業を見てみると、どの企業もわずかな変化を見逃さず、観察することに力を入れている。創造性とは、この世にないものを生み出すことではなく、観察力を発揮することをいう。観察には集中が最も重要だ。観察力を磨くには、メモやカメラをもたずに現場に足を運ぼう。すると心のままに、目の前のものに集中できる。

【もっと読む】アメリカ人がビジネスメールを「5行」で書く理由では、ハーバード大学が教えるライティングテクニックについてさらに深堀り。その具体的なノウハウを、ライティング・コーチであるソン・スッキ氏が詳細に解説している。
ソン・スッキ ライティング・コーチ

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大韓民国を代表するライティング・コーチ。ソン・スッキ作文センター、アイデアウイルス代表。稼げるライティングソリューションを提供し、企業と個人のマーケティングコンサルティングを担う。慶熙大学にて国語国文を専攻し、卒業後は、放送局、広告代理店、新聞社、雑誌社、女性向けポータルサイト、出版社などで経験を積む。執筆活動歴35年、ライティング指導歴20年。本書は韓国で13万部超えのロングセラーになる。著書に『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)がある。

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