≪玉木雄一郎が斬る!≫年金制度改革の欺瞞と、納税者の負担が増す「毒入りあんこ」の正体(後編)

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塩田:去年の衆院選の直後、一時的に石破政権と政策別の協議で「与党でも野党でもない関係」を作り、友党的立場に立ちましたが、現在の石破政権との立ち位置は。

玉木:石破内閣とどう連携するかは、その前に去年12月に暫定税率は廃止すると決めた。所得税の税額控除でも 178万円を目指すと言った。その幹事長間の合意すら、約束を果たしてくれない。これでは政権運営の協力や連携はできません。まずその約束を満たしていただくのが先ですよ。

塩田:参議院の国民民主党で党籍を持つ議員は、今年の参院選の改選組が4、非改選組が5ですが、参院選では国民民主党は勝敗ラインをどう見ていますか。

玉木:参議院では21人以上であれば、予算を伴った法案を単独で提出できます。非改選議員と合わせて21議席の政党になりたい。そのために16議席以上取りたいです。

塩田:見通しはありますか。

玉木:頑張るしかないです。とにかく1回の選挙が正念場で、動きを止めたら死んでしまう。思い、政策を訴え、1議席でも多く取れるように、「もっと手取りを増やす熱い夏」にしたい。

塩田:参院選の全国比例代表は、本来、「非拘束名簿式」だったのに、選挙区の定数是正で2県合区が始まった後に、自民党の主導で「非拘束名簿式」の例外として「特定枠」制度が認められ、前回の2022年の参院選では、れいわ新選組も活用して話題になりました。国民民主党はこの特定枠制度を使う計画はありますか。

玉木:今のところ、使う予定はありません。

首相になれば2035年までにGDP1000兆円を目指す

塩田:最後に、国民民主党は将来、政権与党になり、玉木代表自身は「首相」を明確に意識している、と映ります。首相になれば、どんな政治を目指しますか。

玉木:まず国家ビジョンを明確に出したい。GDP1000兆円を2035年までに目指すという中期的なビジョンを明確に示したい。経済政策さえ間違えなければ、必ずそこに行きますから、それから逆算して、やるべきことを積み上げていく。若い世代や現役世代が将来に希望を持てる国にしなければなりません。

ほかには、もう一回、日本を科学技術立国にしたい。日本は資源のない国だから、人と技術で生きていくしかない。例えば大学向けの科学技術予算は、中国はこの20年間で24倍ぐらい、韓国が6倍ぐらい、アメリカも3倍ぐらいですが、日本は 0.9倍で、1割も減らしています。科学技術力を落としているので、けちけちせずに科学技術関連予算を倍にしたい。

ですが、今は選挙結果がどうなるか分かりませんから、とにかく1議席でも増やして、少しでも影響力を持てるような政治勢力になる。現段階ではそれしか言えません。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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