イラン攻撃に踏み切ったイスラエル・ネタニヤフ首相の胸の内、自著で語っていた予見と現実

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2025年6月14日、イスラエルのラマト・ガンで、イランの弾道ミサイル攻撃により被害を受けた建物を、正統派ユダヤ教徒が視察している(写真・2025 Bloomberg Finance LP)

2025年6月13日の早朝未明(現地時間)、イスラエルはイランに対して軍事攻撃を実施した。作戦名は「ライジング・ライオン」(立ち上がるライオン)。この攻撃は、イラン・イラク戦争(1980~88年)以来、イランに対する最大の攻撃となった。

標的はイランの核関連施設、軍事施設、高官の私邸だった。イスラエル空軍は、200機以上のイスラエル機で5回にわたってイランに対して約100の標的に波状攻撃を行なった。

イラン攻撃は数年かけた作戦

加えて、モサド(イスラエル諜報特務庁)やアマン(イスラエル参謀本部諜報局)の工作員がイランに潜入し、数年かけて極秘作戦を進めていたという報道もある。イスラエル当局者によると、モサドはテヘラン近郊に秘密のドローン基地を設置し、イスラエルに向けたミサイル発射台を攻撃したという。

2024年7月31日には、イランのペゼシュキアン新大統領の就任式出席のためテヘランに滞在していたハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤがピンポイントで暗殺されている(「ハマス・イスラエル戦争から1年・中東情勢の行方」参照)。これはモサドによる作戦と見られているが、もしそうであれば、すでにこの頃、イスラエルはテヘランの内部を把握していたということになる。

核関連施設の被害詳細は明確ではないが、これらの攻撃によりイランの軍事関係者、核開発関係者の幹部複数が暗殺されたことが明らかになっている。

イスラム革命防衛隊司令官ホセイン・サラミ、イラン軍参謀総長モハンマド・バゲリ、核科学者フェレイドゥン・アバシとモハンマド・メフディ・テヘランチなどである。

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