「今の給食ってこんなにひどいの?」「中国や韓国はもっと豪華」とSNSで炎上も…《唐揚げ1個の給食》に怒る人が"残念すぎる"ワケ
今回の件は当事者の子どもたちから、不満どころか、あまり話題にすらあがっていなかったことから、「声の大きい部外者が騒いでいる」「それを見てあまり考えずに『ひどい』『かわいそう』と言っている人がいるだけ」という感がありました。
それらの人々は、前述したような栄養教諭や栄養職員、管理栄養士、調理師、調理員らの工夫や努力によって給食が成立していることを考慮しないから批判するのでしょう。
なぜ「4月の給食」がいま問題視されたのか
そもそも「唐揚げ1個の給食」が提供されたのは4月であり、現在の6月ではありません。それが今、問題視されているのは、批判ありきの人が飛びつきやすい「唐揚げ1個の給食」というキャッチーなフレーズの影響を感じさせられます。
福岡市の給食は別の日の写真を見てもらえれば、「少なすぎる」「かわいそう」などと言われないでしょう。1日分だけを切り取って責められてしまい、給食の担当者だけでなく、市長自ら対応を余儀なくされるなど、あらためて息苦しい時代になったことを感じさせられました。
SNSのコメントやネットニュースをきっかけによい方向へ進むのならいいことですが、過剰な反応は現場を疲弊・萎縮させるだけ。何より部外者ではなく、当事者である小学生、そして保護者の声に耳を傾けたうえでの対応であってほしいところです。
もし提供側が今回の騒動を防ぐことができたとすれば、写真の撮り方と食器の選び方の工夫くらいでしょう。今回の写真は唐揚げが小さく見えたのは事実ですし、真上から撮る記録写真のようなカメラアングルではおいしそうに見えづらいところがあります。
また、「お皿が大きいから少なく見えてしまった」という事情もあるでしょうが、「どのように撮って、どのようにアップするか」を工夫することで一定のリスクヘッジにはなりそうです。食品価格が上がる中、彩りなどの見栄えをよくするための工夫が難しくなっているだけに、「世間に公開される」という前提での撮り方が必要な時代なのかもしれません。
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