「2時間待って注文ゼロ」の日も…。物価高でデリバリー控え?ついに《時給300円台》になったウーバー配達員の嘆き 

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この危機的状況に、ウーバー運営もただ指をくわえて傍観しているわけではなさそうだ。悪い流れを断ち切るため、ウーバー運営は「クエスト」の増額に乗り出している。

雨の日に出たクエスト(著者撮影) 

クエストとは「雨の日に1件配達したら追加報酬200円」といった成果報酬のことで、金額はウーバー運営が独自に設定する。このクエストの金額がここ最近、増加傾向にあるのだ。 

例えば私が活動する神戸市・芦屋市のエリアでは、先日の雨の日に1件目525円。2件目175円。

3件目以降は350円のクエストが発生した。この金額設定は、過去に私が見てきたクエストの金額より1.2~1.5倍ほど高くなっている。 

ここに1件あたり300~500円前後の通常報酬(距離等によって変動)が加わるため、1件目の配送に限っては800円以上、報酬が保証されていることになる。 

かなりお得感があるため、私を含め、ウーバー配達員として稼働した者は少なくないはずだ。 

雨の日に5時間稼働して得た衝撃の報酬 

雨の日は外出したくない人が増えるため、ウーバーの需要が高まる。しかし配達員の数が少なければ「需要と供給のミスマッチ」が生まれ、配達遅延という形で利用者にシワ寄せがいく。これを防ぎたいウーバー運営の事情は、痛いほど理解できる。 

ところがどっこい。デリバリー控えによる注文数減少、私を含めたクエスト狙いの配達員の増加?により、冒頭で紹介した「雨の日なのに1件も注文がないトホホな状況」が発生してしまった。 

もういっそ何時間連続で注文数ゼロなのか、検証しようと考えた私は翌日(天気は雨。高額クエストが発生)の昼もウーバー配達員として稼働した。気になる結果は……開始5分で配送依頼があり、なんと1時間の稼働で、約2000円を稼ぐことができた。 

だがしかし、その日、数時間を置いて稼働した夜では、2時間弱稼働して注文数ゼロ……。2日間、トータル5時間21分の労働で、稼いだ金額は2078円。時給換算388円というトホホな結果になった。 

ドンヨリした梅雨空が広がる中、今日も私はウーバー配達員として、心の雨に打たれながら自転車のペダルを回している。

【もっと読む】「犯罪を誘発する」「なんでそんなサービスを始めた」との声もあるが…。ウーバーが開始「13歳から注文可能」に現役配達員が感じたこと では、13歳から注文可能となったウーバーの変化について、現役配達員ライターの佐藤大輝氏が自身の経験をもとに、詳細に解説している。
佐藤 大輝 ライター・ウーバー配達員

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さとう・だいき / Daiki Sato

23歳と29歳の時、所属していた企業(美容業・物流業)から解雇を通達され、訴訟を提起。それぞれの会社と約2年間裁判で争った経験を持つライター。ブラック企業問題を解決したいという願いから、裁判後はライターに転身。労働問題のほか、「再雇用戦士」「子供部屋おじさん」「インド駐在員」など、働き方や生き方に関する取材記事を執筆。趣味は海外旅行で、37カ国へ渡航。

X:@do69951367

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