「形だけの会見」「説明責任を果たしてない」、山尾志桜里氏の《3時間会見》に批判の声が尽きない明確なワケ

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こうした山尾氏のかたくなな姿勢に、会場に詰めかけた約80人の取材陣も最後は追及を諦め、午後6時半に「実質的な流れ解散」の形で会見は終わった。

当初は3000人を超えていたネット会見の視聴者も途中から数百人単位で減少。会見が終了した時点では、X(旧ツイッター)で「山尾志桜里氏」がトレンド入りし、「形だけの会見」「これでは説明責任を果たしてない」「聞きたいことを答えないのに何が会見だ」などと批判する書き込みがあふれる事態となった。

党内からも「かえってヤブヘビに」との不安の声

そもそも今回の会見は、次期参院選で山尾氏ら4人の“問題人物”を公認候補として擁立したことが、国民民主党の急激な支持率低下につながったことへの“火消し”の狙いがあった。

なかでも、不倫だけでなくさまざまな疑惑に「だんまり」を決め込んできたのが山尾氏だけに、玉木代表ら党執行部は「選挙前に説明責任を果たすことで党へのダメージに歯止めをかける」(玉木氏周辺)ことを期待したのは間違いない。山尾氏自身も会見の直前に自らのXに「(会見では)真摯にお伝えしたい」と投稿していた。

この日の山尾氏は、黒のスーツに白のインナーという「いかにもキャリアウーマンといういでたち」(関係者)で会見に臨み、ほとんどの質疑に淡々とした語り口で対応し続けた。

その中で、「国政への再挑戦の決意」を述べる際は、毅然とした表情で「こうして再挑戦の場をいただき、自分自身、もう一度議席をいただいた際には自分を律し、皆様の信頼をゼロから築き上げて、全力で働ける政治家になることを心に誓っている」と会場を見回した際には、国会史に残る衆院予算委員会での「保育園落ちた、日本死ね」との発言時の“志桜里節”も彷彿とさせた。

ただ、その後のネット上の批判も含め、政界関係者の間では「今回の山尾会見が国民民主党の支持率回復につながるとは思えない」との声が支配的。国民民主党としては今後も“問題候補”の個別会見を順次設定するとみられるが、同党内でも「かえってヤブヘビになるのでは?」(党幹部)との不安の声が少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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