「7月に日本で大災害が起こる」「地震か、津波か…」――ネット上を騒がせる大災難の"予言"。もし外れたとしても、素直に喜べないワケ

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いつか訪れる巨大な自然災害による死と破壊を予感しながら、日常の生活にかけがえのないものを見つけ出し、幸福な人生についての内省を深め、自らを継続的に鼓舞していくという意味において、ソルニット的なものとはまた違った「疑似宗教」といえるだろう。

“自律性の回復”という欲求が隠されている?

筆者は、このような予言に対する関心と「世直し」的な災害観の受容の根底には、自らの信じるものに従い、この閉塞感を積極的に打開したという自律性の回復という欲求が隠されていると考えている。

それは、予言が成就するかもしれないという災害前夜と呼ぶべきクリティカルな物語世界を生きることによって、薄ぼんやりとした自己や人生を見つめ直したいという淡い期待であるのかもしれない。

【もっと読む】「7月に日本で大災害が起こる」「想定をはるかに超える壊滅的な…」――ネット上を騒がせる"大災難予言"が嘘とも言い切れない理由 では、7月に日本で起きると噂されている"大災難"予言が拡散された背景について、批評家の真鍋厚氏が詳細に解説している。
真鍋 厚 評論家、著述家

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まなべ・あつし / Atsushi Manabe

1979年、奈良県生まれ。大阪芸術大学大学院修士課程修了。出版社に勤める傍ら評論活動を展開。 単著に『テロリスト・ワールド』(現代書館)、『不寛容という不安』(彩流社)。(写真撮影:長谷部ナオキチ)

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