舞台公演≪不可解ドタキャン≫頻発の裏事情 ハリー・ポッターから歌舞伎まで、観客への補償はどこまで?
現在の歌舞伎座は2013年に完成した比較的新しい建物だ。椅子に不具合とはどういうことなのか?という意見がネットで散見された。
筆者は歌舞伎ファンで歌舞伎座にもよく足を運ぶが、昨年11月の公演でも問題が起きた。当初の予定していた内容(演目)を代えて、「ようこそ歌舞伎座へ」という歌舞伎初心者向けの公演となった。その理由を松竹は「舞台機構設備の工事を実施するため、当初の発表から公演名、公演日程、料金を変更いたしました」と発表した。
実際の演目は舞台装置を使わず、出演者もわずかで、公演回数もかなり少なかった。今の歌舞伎座の設備に不安を残す形となった。
このようにかなり直前の中止発表や中止理由があいまいなケースが目に付く。もちろん天災や演者の急病など、やむをえない直前の中止決定はありうるが、なるべく早い決定、観客への納得いく説明が必要であろう。
交通費や宿泊費の補償はどうなる?
それは観客に対するチケット代の返金に加えて、交通費や宿泊費の補償問題にも絡んでくる。
一般に、一部の野外コンサートなどを除き、天候など主催者の責任によらない理由による公演中止でも、チケット代の返金をすることを約款で記載しているのが普通だ。
例えば、松竹が発行する演劇のチケットには以下のような記述がある。
「本券は、券面記載日時の興行中止の場合をのぞいて、他の日時や他の席のチケットとの交換または払い戻し等は致しません。また、興行中止の場合でも交通費や宿泊費などの補償はできません。あらかじめご了承ください」
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