舞台公演≪不可解ドタキャン≫頻発の裏事情 ハリー・ポッターから歌舞伎まで、観客への補償はどこまで?

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今年の5月28日には、俳優・坂口健太郎氏の海外ファンミーティングツアー「KENTARO SAKAGUCHI ASIA TOUR FAN MEETING 2025」の6月4日マレーシア・クアラルンプール公演の中止が発表された。

同公演の特設サイトで「6月4日にクアラルンプールで開催を予定しておりました公演は、諸般の事情により誠に残念ながら中止させていただくこととなりました」と発表され、「また、チケットをご購入いただいたお客様へはチケットご購入先よりご案内メールを送信いたしますのでそちらもご確認いただけますと幸いです」とした。坂口氏の所属事務所「トライストーン・エンタテイメント」の公式サイトでも同様の内容の発表がなされた。

本件では中止の発表は公演の1週間ほど前だが、海外公演ゆえ、日本在住のファンの中にはクアラルンプールまで行って参加予定の者もいたであろう。ここで気になるのは、「諸般の事情により」という中止理由だ。一体、諸般の事情とは何なのか。あいまいな理由であるために、SNS上で臆測が飛び交った。「予定の観客数を確保できなかったための中止か?」といった意見などだ。

「KENTARO SAKAGUCHI ASIA TOUR FAN MEETING 2025」特設サイトより

客席の椅子の不具合で突然中止

歌舞伎座でも珍事が起こった。今年の4月14日、松竹が東京・歌舞伎座で上演中だった「四月大歌舞伎」を同日の「夜の部」から17日夜の部まで中止すると開演直前に公式サイトで発表したのだ。世間を驚かせたのは、その理由である。

「客席の椅子に不具合が発生したため」というもので、「お客さまの安全に万全を期するため、全席にわたる点検作業を行うことといたしました」との判断だったようだ。関係者の話として、「一部座席で、長時間座るには強度面での不具合が確認された」と報じられた。

松竹によると、不具合は3月に判明。問題のあった座席を交換したものの、再び不具合が生じる可能性が確認されたため、全席の点検をすることになったという。

あまりの突然の公演中止に出演する歌舞伎俳優も驚いたようで、夜の部(16時15分開演)に出演予定だった片岡孝太郎氏はブログで、同日16時17分ごろ「緊急なご報告」として、「大変皆様へご迷惑をお掛け致します。我々役者、スタッフも驚愕致しております。夜の部支度を終えて舞台に行くものや私は化粧を始める時に通達がありただただ驚いています」と述べた。

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