「豚肉が売れない」「会社が暗くて気分が落ち込む」 韓国"新大統領"を待ち受ける《経済復活》の険しい道

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韓国の企業価値が正当な株価として反映されていないため、商法の改正により、少数規模の株主の権利を強化し、企業の経営に透明性を持たせることで市場全体に好影響を与え、そうした市場の活性化により、自身の在任中に株価指数は5000まで上昇させると豪語した。

韓国では「KOSPI5000」の可能性をめぐって論争が起きたが、選挙期間終盤にはまさかのニュースも流れた。世界三大投資家といわれるアメリカのジム・ロジャーズ氏がイ・ジェミョン候補(当時)を支持しているというものだ。

しかし、韓国メディアが直接、ロジャーズ氏に取材したところ、支持をしていないことが明らかになった。ロジャーズ氏は北朝鮮、とくに鉱山に関心をもっていることが広く知られており、メッセージを交換したのは在英の脱北者の教授だった。

そのメッセージを韓国で発表した人物は、教授と懇意の仲で、2022年の大統領選挙の予備選の際、イ氏の特別補佐官を務めた人物だった。これは単なる錯誤で、言葉の解釈の問題としてあくまでも支持していることは事実だとしていた。

地方選挙で敗戦なら矛先は日本にも

イ大統領は、世論をよく読み取るといわれる。使う言葉もインパクトがあり、一度聞いて理解できるようなものを選び、行動もまた然りだ。前出の中道系紙記者はこんなことを言っていた。

「経済関係の長官には、経済通ではなく政治家を任命するといわれている。つまりはイエスマン。来春にある地方選挙をにらんで、人々にとってわかりやすい方法、支援金などをばらまく方法をとるだろう。それでも、地方選挙で負けることがあれば、今度は日本との関係にも何らかの影響があるかもしれない」

大統領選挙が始まったばかりの頃、「国民の力」の関係者はこんなことを言っていた。「一度(イ・ジェミョンが)うまくやれるのか、見てみたいですよ」。ニュアンスは、「やれるものならやってみろ」だろうか。

後編に続く)

菅野 朋子 ノンフィクションライター

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かんの ともこ / Tomoko Kanno

1963年生まれ。中央大学卒業。出版社勤務、『週刊文春』の記者を経て、現在フリー。ソウル在住。主な著書に『好きになってはいけない国』(文藝春秋)、『韓国窃盗ビジネスを追え』(新潮社)がある。

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