マイクロソフトが15万円台の新型Surface発売、Windows 10サポート終了を前にAI PC普及戦略を本格化

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この価格設定の狙いは、Windows 10のサポート終了問題と合わせて考えると見えてくる。Microsoftが発表したWindows 10延長セキュリティ更新プログラム(ESU)は、個人向けで年額30ドル(約4500円)。3年間利用すれば1万円を超える。一時しのぎの延命措置に毎年費用をかけるか、15万円でAI機能を搭載した新PCに買い替えるか──企業も個人も、真剣に検討すべき選択肢が提示された。

この価格を実現するために、いくつかの割り切りもある。プロセッサは前世代機種が10コアまたは12コアだったのに対して、今回は8コアのSnapdragon X Plusを選んだ。ストレージもSSDではなくスマホに搭載例が多いUFS規格だ。しかし、日常的な業務で体感できる差はほとんどない。むしろ、この「割り切り」によって実現した15万円という価格が、AI PCの普及に与えるインパクトは計り知れない。

会場奥にはAcer、富士通(FMV)など各メーカーのCopilot+ PC対応機種も展示された。各メーカーから71機種が出揃い、業界全体がAI PC普及に本腰を入れ始めた様子をうかがわせた。

MicrosoftのAI PCブランド「Copilot+PC」は7機種から71機種に増加した(筆者撮影)

日本マイクロソフトの平井健裕氏によると、当初はQualcomm(Snapdragon)プラットフォーム限定だった機能も、現在は各プラットフォームで「横並び」になってきているという。どのCopilot+ PCを購入しても同じ機能が使えるよう、Intel/AMDプロセッサ搭載機でも同等の機能提供を進めている。

リコール機能——「あの資料どこだっけ」を解決する

Copilot+ PCの目玉機能の一つが「リコール」だ。過去に作業したものや閲覧したコンテンツを素早く見つけ出す機能で、PCの画面を数秒ごと、または画面内容が変更されたタイミングでスクリーンショットとして保存する。すべての画像は暗号化され、必要な時にローカルのAIが内容を解析する。

過去の画面にさかのぼって探せるリコール機能(筆者撮影)
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