新型「フリード」発売1年でライバル「シエンタ」に打ち勝つことはできたのか?

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特にフルモデルチェンジ翌年の2023年は、フリードが7万7562台だったのに対して、シエンタは13万2332台と2倍に近い大きな差となった。

3代目「シエンタ」はルノー「カングー」にも似た道具感を感じさせるデザインに(写真:トヨタ自動車)
3代目「シエンタ」はルノー「カングー」にも似た道具感を感じさせるデザインに(写真:トヨタ自動車)

2024年にフリードが現行モデルになり、いまは“3代目対決”が繰り広げられている。ただし、残念ながら逆転することはできていない。

2024年後半から2025年にかけて、月販で一度もフリードはシエンタを上回ることができていないのだ。

ちなみに、シエンタの2024年通年の販売ランキングは3位。2025年になっても、シエンタは常にフリードよりも上にいる状態だ。

出来はよくてもライバルは強かった

振り返ってみれば、3代目となった現行フリードは、これまでの伝統であった魅力をしっかりと受け継ぎ、それを磨き上げて作られた実力の高いモデルだ。

高評価の通りに、歴代モデルと遜色ない販売成績を収めている。近年不調が続く、他のホンダ車のことを考えれば、大健闘である。

しかし、最大にして唯一ライバルであるシエンタを見ると、フリードの成功も少し色あせてしまうかもしれない。

フリードのクルマとしての出来は文句のないもの(写真:三木宏章)
フリードのクルマとしての出来は文句のないもの(写真:三木宏章)

現行フリードは、シエンタを見て開発されているはずだ。実際に比較試乗しても、決してフリードがシエンタに劣るわけではない。それどころか、乗り心地や安定性といった部分では、フリードが勝っていると思えた。

それでも販売に関していえば、シエンタにフリードは敵わなかったことになる。クルマとしての魅力にくわえ、ベース価格を抑えた価格設定も功を奏しているのだろう。

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販売ランキングのベスト10中、9モデルをトヨタ車にしたトヨタの販売力の強さに驚くべきだろうか。

フリードの出来のよさを感じるほどに、シエンタとトヨタの強さを感じるばかりである。

【写真】現行「フリード」AIR&クロスターのデザインとディテール(50枚以上)
鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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