新型「フリード」発売1年でライバル「シエンタ」に打ち勝つことはできたのか?
どんなモデルでも世代交代に際して「常に新しい価値」を生み出そうとするのがホンダの流儀である。そのため先代を否定するようなフルモデルチェンジも多い。
ある意味、フリードのようにキープコンセプトの正常進化は、ホンダ車にとっては珍しいパターンなのだ。

結果として現行フリードは、業界でも高く評価されている。ホンダとしては、2010-2011年の「CR-Z」以来、14年ぶりに「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」のグランプリを獲得しているのだ。
筆者も試乗しているが、先代の良さを上手に継承しつつ、しっかりと走りを磨き上げているところが好印象であった。
トップ10に入る唯一の「トヨタ車以外」
そんな新型フリードは、どれだけ売れたのか。モデルチェンジ直前となる2024年1~6月の登録車販売ランキングは7位。前年比で88.3%であった。

そして新型が登場し、6月下旬から発売された後、7月から11月にかけての販売は前年比およそ135~160%で推移する。
その結果、2024年を通しての販売ランキングは5位に。旧型での2024年前半戦が7位だったところ、新型をあわせた通年では順位を上げた。
そして、2025年に入ってからは1月こそ7位だったものの、2月には4位に上がり、3月、4月と4位をキープ。前年比は約116~170%と好調さを維持している。もちろん、ホンダ車としてはトップの順位だ。

ちなみに2025年4月の登録車販売ランキングのトップ10は、4位のフリード以外、すべてトヨタ車で占められている。圧倒的強者であるトヨタにただ一人割って入ったのが、フリードであったのだ。
のべ販売台数はどうかといえば、2024年7~12月で4万6939台、2025年1~4月で3万5335台。11カ月で8万2274台であり、年間9万台弱というペースで売れているのだ。
軽自動車を含めれば「N-BOX」に敵わないが、この成績は立派だろう。
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