「日本は北朝鮮より下の196位」政府が取り繕ってもごまかせない“日本の不都合な真実”
さらに問題なのは、財務省(MOF)がFDI会計の国際ルールを無視して日本の数値を水増ししている点だ。
その結果、財務省は2024年に日本の対内FDIの累積ストックが53兆円に達したと主張している。しかし、IMFとOECDが定めた会計ルールに基づくと、UNCTADのウェブサイトで示されているように、実際のストックは36兆円、つまりGDPの5.9%にすぎないのだ。
この差はなぜ生じるのだろうか?
財務省は、IMFとOECDが明確に計上すべきでないとしているものをFDIの一部として計上している。具体的には、海外の関連会社から日本の子会社への貸し付けだ。これらの貸し付けは、国際収支における資金の流れを分析する際には計上される。だが、OECDのスポークスマンは、国のFDIを時系列で比較したり、他国と比較したりする際には計上すべきでないことを明確に述べている。
真のFDIとは、外国企業による日本への投資を指し、企業内貸し付けではない。だが、時間経過とともに、日本企業内の企業内貸し付けは、財務省が計上する「流入FDI」の割合としてますます大きなシェアを占めるようになった。
2014年の3.2兆円から2024年には18兆円に増加している。実際、2014年から2024年までのFDIの増加分の約半分は、このような計上された貸し付け金から来ているのだ。
円安が統計的錯覚を生み出す
円建てで測定した場合、FDIの成長率が実際よりも大きく見えるもう一つの要因がある。これば財務省が数字を操作しているわけではない。代わりに、円の大幅な下落によって生じた統計的錯覚なのだ。
投資家は投資を行うために、ドルやユーロなどを円に換算する必要がある。UNCTADやIMFなどは、投資されたドル額を測定している。円が弱含むと、円建てで測定した際の成長率が歪曲されるのだ。
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