定年後の「天国」or「地獄」は50代からの準備がすべて! お金と心を豊かにする人生戦略のポイント

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資産は、現預金815万円に運用資産が279万円で、合わせて1094万円。月の収入は妻もパートに出ているため夫婦で手取り53万2000円だ。一方、月の支出合計は50万5000円で、月の収支は2万7000円のプラスになる。

ただ、子どもがまだ中学生と高校生で、塾の夏期講習や部活の費用など突発的な支出もある。おまけに島田さんの会社には役職定年制度があり、収入は少しずつ減少するため、家計の収支は実質的にマイナスだ。

そのため、資産グラフは右肩下がり。島田さんは「退職金が1000万円入りますから」と訴えるが、「退職後も働き続けなければ65歳で資産はゼロになります」と伝えられると、がっくりと肩を落とした。

メタボ家計と準備不足

横山さんによれば、島田さん一家の家計が苦しい原因は、「メタボ家計と準備不足に尽きる」という。家族で頻繁に外食をし、子どもたちにも惜しみなくお金を使ってきた。「収入が多い人にありがちだが、将来のことなど深く考えず野放図に支出してきた結果、家計が膨らんでいる。しかも奥さんが子ども最優先で節約に協力的ではなかったため、ここまできたのだろう」と横山さんは言う。

さらに資産についても現預金の割合が高い。一応、老後のためにと運用はしていたものの、投資信託や株式ではなく、貯蓄型保険で運用しており、大きなリターンは望めない状況。70歳で保険の解約返戻金は入ってくるものの、資産は減っていくばかりの結果となった。

「定年間際で心配になっても取れる改善策は少なく、手遅れであることが多い。50代に入った頃から少しずつ準備をしておくべきだ」と横山さんはアドバイスする。

本記事の詳報版は、東洋経済オンライン有料版記事「〈詳報記事〉「お金と心」を豊かにする定年後の人生戦略ガイド。50代からの準備で大きな差がつく」でご覧いただけます。
田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。『セブン&アイ 解体へのカウントダウン』が小社より24年12月発売。

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