「50代はありのままの自分で楽しみたい」、渡辺満里奈さんが語る更年期と家族の絆。夫・名倉潤さんとの関係「大切にしているのは対話」
若い頃はインナーマッスルを意識することがよくわかっていなくても、勢いでポーズができてしまっていました。現在は年齢を重ねたことで忍耐力がつき、自分の体のどこが動いているのかを、深く考えながら取り組めるようになったと感じています」
娘の思春期、親子関係を変えるために手放したこと
渡辺さんが更年期を迎えた頃、同時に向き合ってきたのが長女の思春期だった。「子どもが小さいときは、いつかクソババアなんて言われるのかなと漠然と考えていた」という渡辺さん。実際に思春期の激しさに直面したときは、「最初はどうしていいかわからなかった」という。
「長男の思春期はとくに何ごともなかったので、子どもによって違うんですね。何の心構えもしていなかったので、娘が強く当たってくるようになったときは、同じテンションで言い合いをして、ボロボロになって泣くような毎日でした。思春期に入ってからは、あまり話さなくなったぶん、感情を爆発させたときに、ためていたものを吐き出しているようでした。
家族が『ママにそんなこと言っちゃダメだよ』とたしなめると、『なんでママの味方ばかりするの?』と娘はさらに感情を荒立ててしまいました」

渡辺さんは思い悩みながらも娘の言葉に耳を傾けるうちに、「気づくことがたくさんあった」という。
「娘の言い分をよく聞いてみると、私が彼女をコントロールしようとすることばかり言っていると気づかされました。片付けなさい、勉強しなさい、早くお風呂に入りなさい。子どものことを心配して言っていたけど、私自身が満足したいから言っていた部分もありました。
娘は突然荒れるようになったと思っていたけれど、振り返ってみると彼女なりにすごくストレスを感じていた。コロナ禍で慣れないオンライン授業を受けなければならず、友達とコミュニケーションがとれない。不安を抱えていたのに、私が横からうるさく言っていたので、反発していたんだと思います」
娘の思春期を経て、「親子の信頼関係が大きく変わった」と渡辺さんは振り返る。
「娘はよく、『ママは私を信用してくれない』と言っていました。『勉強したの?』と言われるのは、娘にとっては『どうせやっていないんでしょ』と言われるのと同じなんですね。娘が容赦なく思いを吐き出してくれたことで、それを学ぶことができました。
それからは、『この子をコントロールしようとするのはやめよう』と思えたし、干渉することを手放しました。もちろん、子育ては不安なことだらけで、テストの点数が悪かったりすると、うーんと思ってしまうこともあります(笑)。でも、娘の人生であって私のじゃない。娘が助けを求めたら全力でサポートするけど、それまでは黙って見守らないと。そう考えると私も気楽になってきて、徐々に親子の関係が穏やかになっていきました」
つらい時期を乗り越えられたのは、夫・名倉潤さんの励ましが大きかったという。
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