「机の前に座ると心臓が締め付けられる」「まったく勉強ができなくなった」 《4浪で東京理科大に合格》挫折を経て彼が得た学び

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そんな彼の人生が変わったのは小学2年生のときに直面した東日本大震災でした。

「中国人の母親が『日本は危ないかもしれない』と考えて、小学3〜5年生の3年を中国の小学校で過ごしました。学校では日本人だと知られると差別を受けたので、あまり行きたくなくて、家にいるときはずっと『マリオカート』をしていました」

一方で、中国の学校は勉強の進度が早かったため、小学6年生で日本に帰国すると、算数・数学で上位の成績を取ることができました。

ただし、数学以外は平均的な成績だったじゅんさんは、公立中学校に進んでからは漠然と「普通の生活ができればいいや」と思い、偏差値50台の高校に進学しようと考えていました。

理系を目指して勉強するが…

高校の入試直前の中学3年生の12月にはスマートフォンを買ってもらい『はなおでんがん』、『ゆきりぬ』といった「理系」を売りにするYouTuberを見るようになります。

ここで初めて『理系の大学に進む』という将来の目標ができたじゅんさんは、夜中の2時まで勉強をするようになります。

しかし、入試直前であったために志望校をより上のほうに変更することはかなわず、結局当初から目指していた地元の偏差値50台前半の高校に進学しました。

高校に進学してからのじゅんさんは、陸上部に入って部活に打ち込む日々を送ります。

「中学では期間限定で駅伝部ができたので、中学3年の夏から秋まで駅伝部に入部していました。ですが、メンバーから外れて補欠になったことが悔しくて、高校では陸上部に入ってリベンジしようと思ったのです」

そうした経緯もあり、高校1年生の11月のマラソン大会では全校生徒720人中8位の順位をとります。彼自身の中学時代のリベンジは成功しましたが、陸上を続けるモチベーションがなくなってしまったために、退部を決断します。

陸上に打ち込んだ1年間は部活を優先し、まったく勉強をしなくなっていたため、学年240人中220位くらいまで成績は落ち込んでいました。それを挽回しようと、高校2年生以降は受験勉強に励みましたが、成績は上がりませんでした。

「数学のテストは毎回よかったのですが、ほかのテストの成績はボロボロでした。志望校は、一度見学に行った筑波大学の理系がいいなと思ったのですが、高校3年生の12月に、先生に受験を止められて秋田大学に変更しました」

1年目の共通テストは36%に終わり、秋田大学の電気電子工学コース前期日程bを受験しましたが、不合格に終わり、浪人が決まりました。

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