「思考停止の30年間に区切りをつけるべき…」堀江貴文が着目するフジ・メディアHD再建の"意外な鉱脈"と"深刻な病理"
ニッポン放送より優秀な企業がBSフジだ。やはり2024年3月期で同社の営業利益は約32億円。売上はニッポン放送と大差ないので、これはもうフジサンケイグループの稼ぎ頭といってもいい。
通販番組が堅調なことに加え、もともとBSは系列ローカル局にネットワーク費を払う必要もないので、利益率が高くなる仕組みになっている。
さらにBSは、地上波ほどお高くとまっていないので、ローカル企業の社長を出演させたり、自由な営業が可能になっている。人件費、製作費にかかるコストも本体のフジテレビより安いので、結果的に高収益体質になるというわけだ。
今回のフジテレビの問題で、ニッポン放送やBSフジも多少、影響を受ける部分はあると思うが、致命傷になるほどのダメージはないと僕は見ている。むしろ、いままでグループに利益の面で貢献してきたグループ企業こそ、今後存在感を発揮することになるのではないだろうか。
「巨人中心主義」を捨てて好調になったプロ野球経営
かつて、僕が球界参入を試みたとき(2004年)、NPBはまだ巨人中心の世界だった。同じセ・リーグの広島は当時、60億円くらいの売上があったが、そのうち半分が巨人戦の放映権料によるものだった。
それから14年後、コロナ前の2018年の数字を見ると189億円になっている。しかしそのうち放映権料の売上はたったの15億円。1割にも届いていない。
巨人戦で得られる利益を分け合うという思想しかなかった時代の球界は、はっきりいって未来がなかった。球団数が増えればみんなが損するという考えで、8球団に減らした1リーグ制構想も出たし、渡邉恒雄氏の「たかが選手」発言などが飛び出したりした。
しかし、それではいけないという主張が勝り、ファンを増やし、球場と一体型の経営を目指し、グッズを売るようになって、いまの健全な球団の姿がある。
昔は巨人戦しか見ることができない地域が多かったため、プロ野球ファンになるにしても、巨人ファン(あるいはアンチ巨人)になるしかなかった。
選手にしてもそうだ。巨人に入団するのと、それ以外の球団に入るのでは同じプロ野球をやるにしても露出に雲泥の差があったので、裏技で巨人と契約したり、ドラフトで他球団に指名されても拒否して浪人し、巨人が交渉権を獲得するのを待つという「事件」が起きたりもした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら