「なんだこの痛みは!」42歳男性を襲った足指の痛み。民間療法にはまった彼が「これは"ゼイタク病”なんかじゃない」と切実に訴えた"病”

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そんな彼だが、昨年はなんと1回も痛風発作が起こらなかった。理由はわからないそうだ。

痛風を笑わないでほしい

痛風になってから、高石さんはあることが気になっているという。それは周囲の人に痛風になったことを話すと、「ゼイタク病だね」などと笑われること。

「ルイ14世やナポレオンがなった病気というイメージがあるのかもしれませんが、痛風になったのは、ゼイタクをした結果とは限りません。そして歩くこともできなくなるほどの痛みがあって、ほかの病気と同じようにつらいものなんです」(高石さん)

確かに尿酸値を上げる食品には、いくらやウニなどの高級なものも多い。でも、痛風になった人全員がそうしたものをたくさん食べているとは限らず、いずれにしても痛風がつらい病気であることは間違いない。

「痛風も当事者にとって大変な病気の1つなので、周囲から笑われたり軽んじられたりしないといいなと思います」(高石さん)

総合診療かかりつけ医・菊池医師の見解

痛風になりやすいのは50〜60代の男性で、食生活の乱れ(プリン体の過剰摂取)、飲酒、過食、肥満、ストレスなどがリスク因子となる。

総合診療かかりつけ医、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師は、「食事でプリン体を摂取しすぎると、体内でプリン体を分解する際にできる尿酸が増えすぎて結晶化し、関節などに沈着します。これが痛みの原因です。最初は、足の親指の関節部分が腫れて痛むという人が多い」と説明する。

ただ、ほかの病気と同じように、なりやすさには個人差がある。「生活習慣病はすべて自己責任かのようにいわれますが、そうとは限りません。痛風は本当に痛いですし、笑わないでほしいですね」と菊池医師。

医療機関では、まずは血液検査とレントゲン検査をして、痛みが強ければ鎮痛薬が処方される。発作時に尿酸値を急激に下げるのはよくないため、痛みが治まるのを待つ。

鎮痛薬は、ロキソニンが処方されることが多く、痛みが強い場合はボルタレンなどの坐薬、反対に痛みが軽い場合はコルヒチンが処方されることも。炎症が強い場合はステロイドを使うこともあるという。

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