自宅前の道路でタクシーを止めた高石さん。足があまりに痛すぎてスムーズに歩けない。「イタッイタッ」などと口走りながら、やっとのことで乗り込んだ。
「その様子を見ていたタクシーの運転手さんが『それ、痛風じゃないですか?』と。どうしてそう思われたのか聞いたら、以前、運転手さんも同じような症状が出て、痛風と診断されたということでした」(高石さん)
病院までの道すがら運転手と話し、受診前から「これは痛風に違いない」と確信した高石さん。確かに、お酒が好きでよく飲む、前夜から足がムズムズしていた、朝起きたら激痛だった……という運転手の痛風発症時の体験とほぼ同じだった。
「病院に到着すると、痛風の痛みをよく知っている運転手さんは、私がなるべく歩かなくてすむように出入り口の目の前に停車してくれました。すごく助かりました」(高石さん)
診察を受けると、医師からは「痛風ではなく偽痛風かもしれない」と言われた。というのも、身長185cm、体重76kgと、やせ型だったからだ。一般的に、痛風は肥満傾向があって内臓脂肪が多い人に多い。
いずれにしても、症状があると痛風の治療はできない。とりあえずは痛み止めの薬を飲むしかないと言われ、鎮痛薬のロキソニンを処方された。
「あまりの激痛なので、普通の鎮痛薬なんか効かないのでは……と思ったら、これがやっぱりぜんぜん効かないんですよ(笑)」と高石さん。
食事だけで治したい
後日、医師に言われた通り、痛みがなくなってから改めて病院を受診した高石さん。やはり痛風と診断された。尿酸値は7.2mg/dL(基準値は7.0mg/dLまで)だった。
お菓子が大好きでよく食べること、体重が4年間で7kg増えたこと、仕事のストレスがあること、運動不足なこと、ビールが大好きなこと――痛風の原因は、思い当たるふしだらけだった。
病院では、フェブキソスタット(商品名:フェブリクなど)を処方された。ところが、高石さんは薬が合わず、2~3日で服用をやめてしまう。
「食事で治そうと考えたんです!」(高石さん)