「なぜそんなに悩むのだろう」…いつまでも答えが出せない人は、じつは何も"考えてない"といえる根拠

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その結果うまくいかなかったとしても、「あのやり方が良くなかったのだ」「今度は別のやり方をしてみよう」など、次につなげる考え方ができるはずです。

プライベートにおいてもビジネスにおいても、下した決断が望ましい結果をもたらさないことは、もちろんあります。しかし、自分で考え、選択したのであれば、結果がどうであれ、「あの状況で考えられる限りのことはやった」「自分なりに苦渋の選択をした」と納得することができるのです。

「説得される人生」より「納得する人生」

逆に、「誰かに言われたから」「みんながそうしているから」「成功者がそうしたから」という理由で決断してしまうと、納得は得られません。

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何を隠そう、私自身がそうでした。30歳になるまでの私は、とにかくみんなが「いい」ということ、成功者がやっていることを基準に、人生を選んできました。

いいといわれる大学、つぶしが利くといわれる学部、大きな会社に入ったのもそうした理由からです。選択に直面するたび、周囲に「これがいい」と説得されるがまま選んできたのです。

でも、結局どれもうまくいきませんでした。心の底では、自分の選択に納得がいっていなかったのでしょう。その結果、失敗を人のせいにしたり、時代のせいにしたりして、悶々とした20代後半を過ごしました。

でも、30歳になって哲学に出逢ったことで、その姿勢は大きく変わりました。自分で考え、自分の基準に照らして選択ができるようになったのです。その後も、もちろんすべてがうまくいったわけではありませんが、後悔することは1つもないと言えます。

だから自信を持って言えるのです。最後は自分で決めるべきだと。説得される人生より、納得する人生のほうがいいに決まっていますから。

小川 仁志 哲学者、山口大学国際総合科学部教授

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おがわ ひとし / Hitoshi Ogawa

1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後 期課程修了。専門は公共哲学。商社マン(伊藤忠商事)、フリーター、公務員(名古屋市役所)という異色の経歴を持つ。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。大学で新しいグローバル教育を牽引する傍ら、「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。また、テレビをはじめ各種メディアにて哲学の普及にも努めている。NHK・Eテレ「ロッチと子羊」では指南役を務める。
『手塚治虫マンガを哲学する 強く生きるための言葉』(リベラル社)や『ざっくりわかる8コマ哲学』 (朝日新聞出版)など、100冊以上出版している。

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