「なぜそんなに悩むのだろう」…いつまでも答えが出せない人は、じつは何も"考えてない"といえる根拠
しかし、ネックになっているのは上司だけであり、給与面や仕事の内容に対しては、特に不満がありません。
そのため、「あんな上司の顔は見たくない」「でも、上司以外の面では、この会社に満足している」「ここよりもっといい職場が見つかるだろうか」「転職先にも嫌な上司がいたらどうしよう」と、延々と自問自答を繰り返しています。
この状態を、「考える」ととらえる人は少なくありません。
でもこれは、ただ悩んでいるだけ、出口のない迷路の中をさまよい続けているだけです。時間も頭も体も使っている割に、問題は何一つ解決しません。
私たちは、「悩む」と「考える」を混同しがちですが、一見同じように見えるこの2つの行為は、根本的に異なります。よく「考えても答えが出ない」「考えるのが苦手」という言葉を見聞きしますが、それは考えているのではなく、ただ悩んでいるだけなのです。

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「先延ばし」「時間のムダ」から卒業しよう
一方、「考える」というのは、問題の本質に迫り、新たな視点や解決の糸口を見出し、堂々巡りの悩みから抜け出そうとする、生産的で前向きな行為です。
そして、私が提唱している「哲学を使った選択思考」は、まさに「考える」というプロセスを具体化したものなのです。紙幅の都合で、本稿では詳しいやり方については触れられませんが、哲学思考を活用すれば、
・重要な選択を前に頭の中がモヤモヤして、何日も決められない
・いくつかの選択肢を前に「どれが正解か」と悩み続ける
・決断した後も「あの選択は間違っていたのでは」と後悔する
・周りの人の決断の速さを見て「なぜ自分はこんなに迷うのだろう」と自信を失う
・決断を先延ばしにして、結局チャンスを逃してしまう
といったことがなくなります。
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